「1兆(10の12乗)」は英語では「Trillion」だがドイツ語では「Billion」になる

外国語を学んでいると、数の表し方である「命数法」が異なるため、瞬時に換算できないこともある。
今回取り上げる Billion と Trillion は有名な例で、語源は同じなのに、時代や国によって表す数が変わることもある。
言葉は変化するものなので、いろいろと面倒なことがあるが、それも多言語学習の楽しみと思うようにしている。

科学誌 Science の3月21日号に、人間は1兆種類を超える嗅覚刺激を区別できる、という論文が掲載された。

英語の論文タイトルは次の通り。
「Humans Can Discriminate More than 1 Trillion Olfactory Stimuli」
www.sciencemag.org/content/343/6177/1370

この論文を紹介するドイツの SPIEGEL Online の見出しは次の通り。
「Hochrechnung: Menschen unterscheiden eine Billion Gerüche」
www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/sinnesorgan-nase-unterscheidet-eine-billion-gerueche-a-959971.html

日本語の1兆(1012、10の12乗、1,000,000,000,000)は、現在の英語では Trillion、ドイツ語では Billion となる。
語源の説明を読むと、ドイツ語の Billion は 「bi.. + Million」とあり、100万(106)の2乗ということで、1兆(1012)になる。
そして Trillion は 100万の3乗だから、100京(1018)になる。

ヨーロッパではたいてい同じだが、英語圏ではアメリカでの表現に合わせて、Trillion を1兆(1012)に変えた。
3桁ずつ区切る方式なので、英語での Billion は 100万(106)から3桁上で、10億(109)のことだ。
ドイツ語での 10億は Milliarde と異なる。

外国語の記事を読むときは、原文の言語をはっきり認識していれば、英語から日本語へ、または、ドイツ語から日本語へ、という変換をしているので、間違えることはないだろう。

ついでに漢字の「兆」だが、同じ漢字を使っていても、中国語では106を表す接頭語のメガの意味で使うという。
メガヘルツ(赫兹)など。

同じ漢字でも、日本語と中国語で意味が変わる例は多いので、同様に、英語とドイツ語で異なっていても驚くことはない。
やはり言葉は生き物なのだと実感した。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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