岸田外相のデンマーク訪問での会談内容で捕鯨を強調する外務省

捕鯨」というキーワードで検索をしてみたところ、岸田外相のデンマーク訪問がヒットした。
www.mofa.go.jp/mofaj/erp/we/dk/page4_000459.html

この外務省の「日・デンマーク・グリーンランド3者会談」を見ると、会談内容の項目として、わざわざ「捕鯨」を独立させて紹介している。
【岸田大臣より,先般の国際司法裁判所の判決を踏まえた捕鯨に関する日本の立場を説明しました。三者は,鯨類を含む海洋生物資源の持続可能な利用を支持する立場から,今後とも緊密に意思疎通を図っていくことで一致しました。】

デンマークは、反捕鯨決議をしているEUのメンバーであるが、国際捕鯨委員会(IWC)での立場は中間派とされている。
先住民生存捕鯨を行うグリーンランドと、イルカ漁を行うフェロー諸島を持つデンマークは、両自治領の独立を阻止するためにも捕鯨を容認する立場である。
両自治領と日本は、反捕鯨団体から執拗な批判を浴びているので、互いに立場を理解しやすいということか。

ただ、外務省がわざわざ書いたのは、「日本の立場を理解してもらう活動をしていますよ」という、日本国内の捕鯨推進派に配慮したアリバイ作りかもしれない。
国際司法裁判所(ICJ)の調査捕鯨に関する判決の後、国際関係の悪化を恐れる外務省は、調査捕鯨の見直し・縮小を考えていたが、捕獲頭数の削減で継続が決まったため、「政府決定を一応尊重していますよ」と示しただけかも。

この会談概要を取り上げた理由の一つは、グリーンランド自治政府に対して失礼なことだと思ったから。
今年12月にハモン・グリーンランド自治政府首相が日本を訪問予定で、この訪問についても話題になっていたのに、一言も言及していないからだ。
自治政府首相の日本訪問よりも、捕鯨の方が大切な話題なのだろうか。

グリーンランド自治政府のプレスリリースでは、「北極での協力関係、IWCの現状、2014年12月の日本訪問」が中心の話題だったとなっているのに。

naalakkersuisut.gl/da/Naalakkersuisut/Pressemeddelelser/2014/04/aleqa-japansk-udenrigs
【Mødet havde særligt fokus på samarbejdet i Arktis, den aktuelle situation i IWC og formandens kommende besøg i Japan i december 2014.】

日本の報道でも、捕鯨の話は一言も出ていない。
共同通信の配信記事(日本経済新聞)とNHKニュースを引用しよう。

www.nikkei.com/article/DGXNASDE01004_R00C14A5PP8000/
【岸田文雄外相は1日午後(日本時間同日夜)、訪問先のデンマークのコペンハーゲンでリデゴー外相と会談した。…
両氏はその後、デンマーク領グリーンランド自治政府のハモンド首相を交えて3者で会談し、北極圏の資源開発や環境保護を連携して進めると確認した。】

www3.nhk.or.jp/news/html/20140501/k10014173661000.html
【…
岸田大臣はこのあとデンマーク領グリーンランド自治政府のハモンド首相と会談しました。
この中で、ハモンド首相が北極圏の資源開発への日本の投資に期待する考えを示したのに対し、岸田大臣は「民間レベルでの協力が進んでおり、投資の拡大を後押ししたい」と応じました。】

捕鯨よりも、経済関係や風力発電などの方が大切な話題ではないだろうか。

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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