ノルウェーの今季のミンククジラ漁は好調だが鯨肉は余っている(729頭で終了)

(最終チェック・修正日 2014年08月29日)

ノルウェーは1993年から
ミンククジラの商業捕鯨を再開し、今季の捕獲枠は1286頭に設定されている。
この捕獲枠は2010年から同じ数字であるが、今まで一度も満たしたことはない。
2009年の捕獲枠は885頭で、未達成分の401頭を繰り越して1286頭にしたのだが、捕鯨業者側からも無謀だと言われていた。

今年も捕獲枠の半分以下ではないかと思っていたら、なぜか好調で、8月5日までに701頭を捕獲した。
その後も順調に捕鯨は続き、8月20日の報道では、729頭に達したそうだ。
www.nrk.no/nordland/arets-gode-hvalsesong-er-over-1.11887970

【Totalt er det tatt 729 dyr, og det er 139 flere enn i fjor.】

この記事で気になるのは、水揚げ量として登録された鯨肉は700トンに達しているのに、市場での販売量は500トンにとどまっていることだ。
【Mottakene på land har tatt imot mer enn 700 tonn vågehvalkjøtt, mens markedet bare vil ha 500 tonn.】


鯨肉買い取り価格は31.50ノルウェークローネに決められているため、供給過剰でも価格が下落するリスクはない。
ただ、鯨肉が売れなければ、冷凍するなど保管コストがかかることになる。
以前も売れない鯨肉を、ペットフード原料肉の冷凍庫に保管していて、食肉用の衛生基準を満たさないとして摘発されたことがある。

ノルウェー国内で消費が伸びないとすると、不漁のアイスランドに輸出するのだろうか。
フェロー諸島も輸出先として考えられるが、日本はどうだろうか。
アイスランドから今年5月に2000トンものナガスクジラ肉を輸入したので、ノルウェーのミンククジラ肉を輸入する余裕はないのかもしれない。
ただ、鯨肉が足りないと騒いでいる人たちもいるので、気付かれないようにこっそり輸入するのかもしれない。
今後の報道をチェックしておこう。

追記(8月29日):
ミンククジラ漁が好調で、捕獲頭数は729頭にまで達していたと報じられたのち、
実際にこの頭数で今季の捕鯨は終了となったと判明した。
ノルウェーの漁業団体 Råfisklag の今年第33週の統計発表時点では、「729頭で終了する見込み」だった。
第32週の捕獲数が5頭にとどまったので、捕獲ペースの減少から、終了が近いと判断されていた。


AFPの英語記事を引用しているサイトがあったので、ここにリンクを示しておこう。
www.goodplanet.info/en/news/2014/08/26/norway-fishermen-post-record-breaking-whale-haul/

今年は天候が良かったため、1993年以降で最高の729頭まで捕獲できたそうだ。
ただし、市場と流通に問題点があるそうで、他の肉類や魚との競合があるため、鯨肉の需要を増やす必要があるとのことだ。

その反対に環境保護団体グリーンピースは、ノルウェー国内の鯨肉需要はないとの立場で、じきに衰退すると考えている。

イギリス・インディペンデント紙の記事からも、鯨肉需要が伸びていないという指摘の部分を引用しておこう。
www.independent.co.uk/news/world/europe/norway-kills-729-whales-in-record-year-for-hunt-but-demand-failing-for-meat-9689466.html
【But retailers are having trouble shifting the huge amount of minke meat in supermarkets, as Norwegians show little appetite for whale.】

「実際の需要よりも捕獲しすぎた」というのは、鯨肉も販売しているノルウェーの水産会社 Hopen fisk AS の取締役の発言である。
www.nrk.no/nordland/arets-gode-hvalsesong-er-over-1.11887970
【God fangst er vel og bra, men vi har utfordringer i markedet. Vi har fått mer kjøtt på land enn vi klarer å omsette, og det er ikke en heldig situasjon, sier daglig leder Åge Eriksen ved Hopen fisk i Lofoten.】


余っている鯨肉は、日本へ輸出されることだろう。

テーマ : 海外ニュース
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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