調査捕鯨継続の理由にクジラ食害論は使わないでほしい

国際捕鯨員会(IWC)の年次総会が始まり、日本でもニュースで調査捕鯨の今後について紹介していた。
反捕鯨国では、「捕鯨禁止をより効果的にすべき」や、「日本の捕鯨は科学よりも寿司をもたらした」など、批判記事が大量に出ている。

イギリスとドイツの報道を例示しておこう。
www.theguardian.com/environment/2014/sep/15/japans-whaling-has-produced-more-sushi-than-science
www.rp-online.de/panorama/wissen/walfang-verbot-soll-effizienter-werden-aid-1.4525740


日本の報道によると、調査捕鯨の新しい計画が科学的だと説明しようとしているそうだ。
科学用語を使って説明しても、鯨肉確保が第一目的であることに変わりはないので、誰にも信用されないだろう。
調査捕鯨が真に科学研究だと言うならば、海洋生態系におけるクジラの役割を解明するために、どうして致死的調査も必須なのか、そして捕獲頭数の根拠は何か、それらを中心に報道すべきだ。

その期待に反して国内では、食文化の維持や、増えたクジラが漁業に悪影響を与えるという、科学とは無関係の話ばかりが流されている。

今日15日夕方のTBSのニュース番組でも、いわゆる「クジラ食害論」を主張する日本捕鯨協会の山村会長が出てきた。
ニュースの動画は、次のサイトで紹介されている。
news.tbs.co.jp/20140915/newseye/tbs_newseye2299121.html
反捕鯨国から厳しい対応も、それでも「クジラ食べたい」

…鯨料理の有名店で開かれたのは、その名も「~もうひとつのIWC総会~いつまでもホエール食いてぇ総会」。食文化としての「鯨」を広めることや、捕鯨問題への正しい理解を求める声が相次ぎました

増えすぎた鯨に魚が食べられ漁師が困る状態は、日本でも起こっています」(日本捕鯨協会 山村和夫会長)

科学的な知見から捕鯨の必要性を訴える日本の声は届くのか。…】



「クジラ食害論」については、「日本側が主張したことは一度もない」と水産庁は否定している。
その前は、西アフリカ諸国の漁業援助の会合で、クジラによる水産資源への影響について、捕鯨関係者に講演させていたのに、この変化は不思議だ。

特に森下氏は、【世界の海の中にはクジラと漁業が競合している可能性があるホットスポットがあるらしいというのが,もっとも正確ないい方】と、言葉巧みに逃げていた。
さらに、【日本が,「クジラが世界中で漁業資源を食べつくしているから,間引きしてしまうべきだ」と主張しているように言われ】ているなどと、反捕鯨国が日本批判のために作った話という印象を与えようともしていた。

しかし、山村会長が「クジラ食害論」を堂々と主張している映像が、全国ネットのニュースで流れてしまった。
漁業被害を防ぐために捕鯨をするという暴言を、日本側関係者が今日も、水産庁の建前を無視して大声で叫んでいるのだ。
こういった発言を反捕鯨団体は集めているので、調査捕鯨が真に科学研究になるのであれば、早いうちに否定した方がよい。

ただし、水産庁自体が調査捕鯨の役割の一つとして、「鯨肉の確保」と発言してしまったので、本音は山村会長と同じかもしれない。

それにしても、数年前の妥協案の実現に努力していれば、南極海から撤退してもミンククジラの沿岸商業捕鯨は再開できたかもしれない。
何一つ譲歩せず強硬論ばかりで、何も進展しないない状況は、外交ができない国ということなのか。


ついでに、日本捕鯨協会の「クジラ食害論」プロパガンダ活動事例を紹介しよう。
ebisufan.com/news/geisai2014-2.html/
www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_74195/

東京・恵比寿で開催された鯨肉料理のイベントで、「それでもあなたは鯨を食べる事に反対ですか?」という動画を流したそうだ。
複雑系である生態系について、わかったふりをするのはもうやめよう。
この動画も、調査捕鯨の目的が非科学的である証拠として、反捕鯨国に利用されてしまうことだろう。



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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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