今年もアイスランドからナガスクジラ肉を輸入する予定

国際司法裁判所で、日本の南極海調査捕鯨は科学的目的を達成していないことが指摘されたため、新たな調査計画が認められるまでは捕獲しないことになった。
捕獲できないということは、副産物の鯨肉も供給されないことになり、他の捕鯨国のアイスランドやノルウェーから輸入しようと考えるのは自然な成り行きだ。

アイスランドもノルウェーも捕鯨国ではあるが、日本とは異なり、国際捕鯨委員会のモラトリアムに異議申立をしたため、独自に捕獲枠を設定して捕鯨を続けている。

ただしノルウェーのミンククジラの場合、尾の肉と皮から検出された殺虫剤成分が基準値を超えていたため、廃棄処分となってしまった。
www.theguardian.com/environment/world-on-a-plate/2015/mar/23/japan-refuses-norways-toxic-whale-meat

去年はアイスランドから約2,000トンのナガスクジラ肉が輸入されたが、環境保護団体グリーンピースなどが貨物船を追跡して、途中でどこにも寄港できないように妨害した。
また別のルートとして、カナダの陸路経由で太平洋側のバンクーバーに送り、そこから日本まで船で運んだこともあった。

それで今年はどうするのかと思っていたら、5月18日のアイスランドでの報道では、既に1,700トンの輸出を準備しており、レイキャビク近くの港には、貨物船「Winter Bay号」が既に待機しているとのことだ。
eyjan.pressan.is/frettir/2015/05/18/kristjan-loftsson-a-leid-i-nyja-aevintyraferd-med-hvalkjot-1-700-tonn-bida-i-hafnarfjardarhofn/

Winter Bay号を追跡したければ、次のサイトで位置情報が得られるので、興味があるならば確認してほしい。
www.marinetraffic.com/en/ais/details/ships/shipid:402701/imo:8601680/mmsi:341433000/vessel:WINTER%20BAY

現時点で目的地は、アンゴラのルアンダ港となっているが、一度寄港して燃料や食料を補給した後、アフリカ南端を回って日本に向かうと思われる。
今回も抗議デモなどいろいろあると思うので、報道をチェックしてみよう。

ところで、このアイスランドからの鯨肉輸入について、NHKが5月23日夜のニュースで取り上げていた。
www3.nhk.or.jp/news/html/20150523/k10010089491000.html

【南極海での調査捕鯨が今シーズン見送られたことなどによる国内のクジラの肉の不足分を確保するため、調査捕鯨船を運航し、鯨肉を販売している東京の企業がアイスランド産の鯨肉を大量に輸入することを決めました。 …】

ニュース映像では、鯨肉料理を食べている人たちの姿があったが、どうしてこのような映像を使った報道をするのか疑問である。
これでは、「鯨肉を確保するために南極海調査捕鯨を再開したい」という、「実際には科学的目的ではない」ことを自ら宣伝しているとしか思えない。
科学委員会に調査計画を提出したとのことだが、このように本音を堂々と報道してしまうと、「やはり科学ではないのだ」と思われてしまう。
水産庁捕鯨班も含めて、一体何を主張したいのか、不思議な人たちである。

テーマ : 海外ニュース
ジャンル : ニュース

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今年のアイスランドからの鯨肉輸入ルートは北極海経由のようだ

今年も日本の業者が、アイスランドからナガスクジラ肉を輸入するとのことで、ヨーロッパの野生動物保護団体を中心に反対意見が表明されている。 冷凍ナガスクジラ肉約1,700トンを積んだ貨物船 Winter Bay 号の情報を見ると、目的地はアフリカ西部のアンゴラとなっていたため、昨年と同じアフリカ南端を回るコースで日本に向かうと思われた。 当初は5月中旬に出航すると思われたが、6月に入って...

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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