久しぶりに本業でドイツ語特許を読む

私の本業は医薬メーカー子会社での有機合成研究職である。
研究のために読む専門書や学術誌は、1990年代の大学・大学院時代は、約30%がドイツ語だった。
有機合成やNMRに関する Thieme の専門書は、英訳も和訳もないものが多かった。

21世紀になってからは、特許も含めてほとんど英語ばかりになり、本業でドイツ語資料を読むのは、3年に1回くらいの頻度になった。
そのため、副業のドイツ語翻訳・チェックで読む特許の数の方が、本業よりも多くなっている。
一番多いのは、昼休みと帰宅後にネットで読むドイツメディアの記事で、次にルター訳聖書になるだろうか。

スイスの Helvetica Chimica Acta も英語論文ばかりになり、今年もドイツ語は読まないのかと思っていたところ、重要中間体の合成法について、ドイツ語特許を参考にすることになった。
実際に必要な部分は、実施例が書いてある部分の一部で3ページくらいだが、それでも久しぶりだとうれしいものだ。

ところで、このドイツ語特許は、文献検索サービスの種類によっては、見逃されてしまうことに今回気付いた。

検索しやすく、結果も見やすいサービスとして、Elsevier社の Reaxys を利用しているのだが、これは特許は英文のみ対象にしており、ドイツ語特許はEPであっても採録されていない。


Reaxys の特徴を説明する資料は以下の通りで、スライド6に採録内容の記載がある。
www.elsevier.com/jp/online-tools/reaxys/documents/Reaxys_update20091011.pdf
【WO/US/EPに出願された英文特許から抽出 (US: 1976年以降, WO/EP:1978年以降)】

この Reaxys では専門家が、利用価値の高い反応と判断して、データベースに加えているため、検索結果から実験条件を決めても大丈夫だろうと思って使っている。
ただし、前述のように特許については、ドイツ語も、そして日本語も採録されていないので、重要な特許が検索できないという欠点がある。

Reaxys での調査結果に満足できない場合、次の段階として、利用料金は高いのだが、SciFinder を使って網羅的に検索を試みることになる。
www.jaici.or.jp/SCIFINDER/

私は子会社採用の契約社員なのでライセンスはもらえないので、親会社からの出向社員に検索してもらった。
その結果、今回合成する重要中間体の特許にたどりつくことができた。

最近のWO特許では、原文がドイツ語で出願された特許でも、英訳版も存在するので、Reaxys でも採録されると思われるが、英訳が義務ではないEP特許で出願されたドイツ語特許は、SciFinder を使わないと検索すらできないのだ。

使うサービスの特徴を知らないと、検索漏れが発生してしまい、研究が遅れる原因となってしまう。

最近は英語至上主義の人が増えたように思うが、研究者であれば第二外国語も英語並みに使いこなしてほしいものだ。

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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