日本は難民支援の金は出すが国内に入れたくないと印象付けた安倍首相

私は医薬メーカー子会社で働いており、難民支援のために外国に出かけて、直接活動することは困難だ。
その代わりに実行していることと言えば、国連難民高等弁務官事務所と国境なき医師団への寄付で、いずれも月1,500円の定額寄付を数年前から継続している。
最近のシリア難民や南スーダンに対する緊急支援要請の手紙も届くので、そのたびに3,000円から10,000円の臨時寄付もしている。

金だけ出して済ませているのは日本政府と同じだと、批判する人もいるかもしれないが、私は難民の受け入れ賛成派であり、日本が人道主義の国になることを望んでいる。
ドイツを見習えとは言わないが、積極的平和主義と言うならば、生命の危険にある人たちを難民認定して、第三国定住の支援や、帰還できるまでの間に教育や職業訓練をすればよい。

緒方貞子氏は、朝日新聞のインタビューで、日本政府の難民支援策を批判している。
digital.asahi.com/articles/ASH9P2VWLH9PUHBI00H.html

【――日本の難民受け入れをどう考えていますか。

 「物足りない、の一言です。特に人道的なこういう事件(シリアなどからの大量難民)が起こったときに『まだか』という感じですよね。日本は、非常に安全管理がやかましいから。リスクなしに良いことなんてできませんよ」

――どういうものが積極的平和主義と考えますか。

 「例えば、難民の受け入れは積極的平和主義の一部ですよ。本当に困っている人たちに対してね。それから開発援助も底辺に届くようなものをどれだけやるのか。それが積極的ですよ。難民の受け入れに積極性を見いださなければ、積極的平和主義というものがあるとは思えないと言っていたと、書いて下さい」】

それで安倍首相の国連総会演説が注目されていたものの、記者会見での受け答えが期待外れという印象を持った海外メディアから批判されている。
「日本は難民受け入れの前に、少子高齢化など国内問題の解決を優先する」と。

安倍首相の発言の何がよくなかったのか、それは日経ビジネス・オンラインの記事が参考になるだろう。
business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/245872/100100007/

ロイター通信の記者が、新三本の矢のことに続いて、シリア難民を日本国内に受け入れるかどうかを質問した。
安倍首相は、「受け入れるかどうか」という質問に直接答えることなく、「日本の責任を果たしていきたい」と言いながらも、「人口問題・移民問題」という話にすり替えて、国内問題が優先課題のような答えをしてしまった。

【今回の難民に対する対応の問題であります。これは、まさに国際社会で連携して取り組まなければいけない課題であろうと思います。人口問題として申し上げれば、我々はいわば移民を受け入れる前にやるべきことがあって、それは、女性の活躍であり、あるいは高齢者の活躍であり、そして出生率を上げていくにはまだまだ打つべき手があるということでもあります。同時に、この難民の問題については、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております】

命の危険にさらされている難民に対する人道援助の話をしているのに、移民政策についての政府見解のようなことを挟むのは、自ら誤解を誘発しているかのようだ。
同時通訳では「難民」と言っているので、安倍首相が「移民」と聞き間違えたのだろうか、それとも最初から、金だけ出せばいいと思っているのか。

日本国内では、国会答弁も含めて、うまく責任回避するような話し方を身に着けたのかもしれないが、質問に正面から答えないという姿勢では、リーダーの資質が疑われても仕方ない。

難民認定の代わりなのか、留学生の資格で日本に入れようという話が、外務省と法務省の間で調整中だという。
受入れゼロよりはましだが、緊急性を全く理解していないと言われてしまいそうだ。

難民支援のために外国に行くことができないならば、日本政府に働きかけたり、NGOを支援したり、難民支援の話題を身近なところで話すことも一市民にできる支援の一つだろう。

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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