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ドイツ語: 「Magenschwinger」とは何だろうか

新たに受注したドイツ語特許和訳のチェックは、ワード数が少なめだったこともあり、今日の昼過ぎには終わった。
スケジュールに余裕があるので、月曜夜までかけてゆっくり推敲して、チェック漏れがないことを確認してから納品しよう。

ということで、夕方は日課のドイツメディアのニュースチェックをしていた。
すると、Süddeutsche Zeitung (南ドイツ新聞)で、スターバックスが2016年、イタリア・ミラノに進出するというニュースを見つけた。
www.sueddeutsche.de/leben/starbucks-will-expandieren-ausgerechnet-italien-1.2695752

ドイツでは一定の成果が見られたスターバックスだが、フランスでは店舗数が増えず、撤退を勧めるコンサルタントもいるくらいだ。
イタリアでカプチーノを飲むのは午前中だけで、イリーなどのブランドもあるので、苦戦するのではないかと思われる。
それでも、イタリア進出はハワード・シュルツの約20年近い悲願だったそうなので、十分に準備をしていることだろう。

スターバックス好きにとって面白い記事なのだが、最初から意味がわからない名詞が出てきて悩んだ。
その名詞とは、「Magenschwinger」で、オンライン辞書を見てもなかった。

【Es ist ein Magenschwinger für alle Liebhaber italienischen Kaffees: Starbucks kommt nach Italien. Jahrelang hat sich das Land als Bastion guten Kaffeegeschmacks gegen die amerikanischen Franchise-Invasoren verteidigt.


Magen + Schwinger の複合語と考えても、「腹を揺らす人」、あるいは「腹を殴られてノックアウトされた人」というのは変なので、文脈から推測することにした。
文意は、「スターバックスの侵略に対する砦だったイタリアが屈した」ということだから、「ノックアウト」から類推して、「大敗北、完敗、降伏」という意味ではないだろうか。

そうすると記事の出だしは次のようになる。
「イタリアン・コーヒーのすべてのファンにとって、それは大敗北だ。スターバックスがイタリアにやってくる。…」


もう一つ事例を挙げて、この解釈が合っていることを示しておこう。
サッカーの試合の記事で、0対8の一方的な大敗を報じたものだ。
www.sueddeutsche.de/sport/hsv-nach-dem-in-muenchen-eine-beschaemende-niederlage-1.2351471

【Viele Gegentore in München ist der Hamburger SV seit Jahren gewohnt - aber dieser 0:8-Magenschwinger lässt die Spieler verstummen.】

いつも同じ意味になるとは限らないので、これからも文意を把握してから、意味を推測するようにして、ドイツ語の学びを続けたい。

それにしても、有力紙で何度も使われている単語なのに、辞書に載らないのはなぜだろうか。

 

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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