ドイツ語の並列の接続詞 beziehungsweise (bzw.) の使い方に気をつけよう
ドイツ語の特許を読んでいると、並列の接続詞として beziehungsweise (略 bzw.)がよく出てくる。
たいていの場合、oder (または、言い換えると)と同じ意味のこともあるが、文意を正しく把握しないと、誤訳してしまうことになる。
特許翻訳のブログで説明している記事があったので、ここに引用しておこう。
blog.livedoor.jp/hasenfus/archives/30096790.html
今回受注したドイツ語特許和訳でも、二種類の意味の beziehungsweise、「または」 と 「それぞれ」 が出てきた。
実際の特許の事例は出せないので、辞書などで調べたことをまとめておこう。
辞書では、例えば小学館独和大辞典第二版とDUDENでは、二つの語義に分けて説明している。
1 (oder) または,もしくは,ないしは,場合によっては;あるいはむしろ,詳しく言えばつまり
2 それぞれ〔に〕
1 oder; oder vielmehr, genauer gesagt
2 und im anderen Fall
1番目だけでも、oder の複数の語義を含んでいて、単純に 「または」 とはできない。
辞書の例文を oder と共に記載しておこう。
Er wohnt in Hamburg beziehungsweise in einem Vorort von Hamburg.
彼はハンブルク、詳しく言えばハンブルク郊外に住んでいる。
Ich beziehungsweise meine Frau ist dagegen.
私がというより妻が反対しているんだ。
Das ist falsch oder 〔vielmehr〕 übertreiben.
それは正しくないというよりむしろ誇張されている。
2番目の 「それぞれ」 が一番間違いやすいかもしれない。
これも例文を見て、「または」 とすると誤訳になることを確認してみよう。
Ihre Tochter und ihr Sohn sind sechs beziehungsweise acht Jahre alt.
彼女の娘は6歳で、息子が8歳だ。
この例文では、年齢との対応関係がわかりやすいので、「それぞれ」 という語義が理解しやすいだろう。
しかし次の例文では、誤訳の危険性が増大すると思われる。
zwei Flugzeuge mit englischen beziehungsweise amerikanischen Kennzeichen
イギリスの標識をつけた1機とアメリカの標識をつけた1機の計2機の飛行機
単純に 「または」 と考えてしまうと、「イギリスの標識をつけた2機の飛行機」 あるいは 「アメリカの標識をつけた2機の飛行機」 のいずれか一方となってしまう。
たいていの場合、oder (または、言い換えると)と同じ意味のこともあるが、文意を正しく把握しないと、誤訳してしまうことになる。
特許翻訳のブログで説明している記事があったので、ここに引用しておこう。
blog.livedoor.jp/hasenfus/archives/30096790.html
今回受注したドイツ語特許和訳でも、二種類の意味の beziehungsweise、「または」 と 「それぞれ」 が出てきた。
実際の特許の事例は出せないので、辞書などで調べたことをまとめておこう。
辞書では、例えば小学館独和大辞典第二版とDUDENでは、二つの語義に分けて説明している。
1 (oder) または,もしくは,ないしは,場合によっては;あるいはむしろ,詳しく言えばつまり
2 それぞれ〔に〕
1 oder; oder vielmehr, genauer gesagt
2 und im anderen Fall
1番目だけでも、oder の複数の語義を含んでいて、単純に 「または」 とはできない。
辞書の例文を oder と共に記載しておこう。
Er wohnt in Hamburg beziehungsweise in einem Vorort von Hamburg.
彼はハンブルク、詳しく言えばハンブルク郊外に住んでいる。
Ich beziehungsweise meine Frau ist dagegen.
私がというより妻が反対しているんだ。
Das ist falsch oder 〔vielmehr〕 übertreiben.
それは正しくないというよりむしろ誇張されている。
2番目の 「それぞれ」 が一番間違いやすいかもしれない。
これも例文を見て、「または」 とすると誤訳になることを確認してみよう。
Ihre Tochter und ihr Sohn sind sechs beziehungsweise acht Jahre alt.
彼女の娘は6歳で、息子が8歳だ。
この例文では、年齢との対応関係がわかりやすいので、「それぞれ」 という語義が理解しやすいだろう。
しかし次の例文では、誤訳の危険性が増大すると思われる。
zwei Flugzeuge mit englischen beziehungsweise amerikanischen Kennzeichen
イギリスの標識をつけた1機とアメリカの標識をつけた1機の計2機の飛行機
単純に 「または」 と考えてしまうと、「イギリスの標識をつけた2機の飛行機」 あるいは 「アメリカの標識をつけた2機の飛行機」 のいずれか一方となってしまう。
更に調べてみると、SPIEGEL Online のサイトで、言葉の使い方についてのコラムが見つかった。
www.spiegel.de/kultur/zwiebelfisch/zwiebelfisch-abc-beziehungsweise-genauer-gesagt-a-308818.html
beziehungsweise の誤用や誤解をまねく場合が多いとのことで、「または」 の意味ならば oder と書き、「詳しく言えば」 の意味ならば genauer gesagt と書くことを提案している。
それで筆者が提案している beziehungsweise を使う場合とは、「それぞれ」 の意味のときだけ、つまり、2つの異なるものに対応させて列挙する場合だけとのことだ。
Zugelassen sind Kinder ebenso wie Erwachsene, der Eintritt beträgt acht bzw. zwölf Euro.
この例文で入場料は、子どもが8ユーロ、大人が12ユーロとなる。
更に、beziehungsweise の代わりに respektiv (略 resp.)を使うことも提案している。
複数の語義があると面倒なので、それぞれに対応して respektiv などで書き換えた方がよいかもしれない。
www.spiegel.de/kultur/zwiebelfisch/zwiebelfisch-abc-beziehungsweise-genauer-gesagt-a-308818.html
beziehungsweise の誤用や誤解をまねく場合が多いとのことで、「または」 の意味ならば oder と書き、「詳しく言えば」 の意味ならば genauer gesagt と書くことを提案している。
それで筆者が提案している beziehungsweise を使う場合とは、「それぞれ」 の意味のときだけ、つまり、2つの異なるものに対応させて列挙する場合だけとのことだ。
Zugelassen sind Kinder ebenso wie Erwachsene, der Eintritt beträgt acht bzw. zwölf Euro.
この例文で入場料は、子どもが8ユーロ、大人が12ユーロとなる。
更に、beziehungsweise の代わりに respektiv (略 resp.)を使うことも提案している。
複数の語義があると面倒なので、それぞれに対応して respektiv などで書き換えた方がよいかもしれない。