BASFの爆発事故の影響は長引きそうだ(→鎮火翌日には一部生産再開)

(最終チェック・修正日 2016年10月28日)

翻訳専業になってからも、英語とドイツ語の特許の和訳が中心なので、他の分野のドイツ語を読むためにドイツメディアのチェックは続けている。
今日は特に、ベーリンガーの工場跡地から高濃度のダイオキシンが検出されたことと、BASFの工場火災事故が気になった。

ドイツのライン川に面したルートヴィヒスハーフェンにあるBASF本社工場で、
ドイツ時間の17日21時半頃に、タンカーとの間で原料を移送するパイプラインの破損に起因すると思われる爆発火災が起きた。

事故発生後からBASFでは、フェイスブックとツイッターを使って、情報を発信していた。
www.facebook.com/BASF.Deutschland/
twitter.com/BASF_DE

港に停泊していたタンカーへの延焼を防ことができ、約10時間後に鎮火して、18日11時(ドイツ時間)にプレスリリースが出た。
(ドイツ語) www.basf.com/de/de/company/about-us/sites/ludwigshafen.html
(日本語) www.basf.com/jp/ja/company/news-and-media/news-releases/jp/2016/10/Release-Oct-18-11am-GMT.html

また、ドイツの報道は、例えば、以下のとおり。
www.spiegel.de/panorama/explosion-bei-basf-a-1117139.html
www.sueddeutsche.de/panorama/chemie-unfall-in-ludwigshafen-sechs-verletzte-nach-explosion-bei-basf-auf-der-intensivstation-1.3210678
www.zeit.de/gesellschaft/zeitgeschehen/2016-10/basf-explosion-ludwigshafen-loeschung-brand-vermisstensuche

ルートヴィヒスハーフェン市が事故に関して出している情報は次の通り。
www.ludwigshafen.de/buergernah/buergerservice/aktuell/explosion-auf-basf-gelaende/

この爆発事故によって、BASF独自の消防隊員2名が死亡し、重傷者8名と軽傷者17名は病院に搬送された。
行方不明者1名はまだ見つからず、安全が確認されてから、水中をダイバーが捜索する予定である。

火災が起きたのは、エチレンとプロピレンのパイプラインとされているが、発火原因は現時点で不明である。
多数のパイプラインが同じトレンチ内にあって影響を受けたため、14の生産設備が停止している。

Streamcracker と呼ばれる水蒸気分解設備が使えないため、原料供給ができないという。
一部稼働可能な設備もあるそうだが、生産の再開時期や生産量の減少による損害額などは、
現時点では不明である。
(追記(10月20日):スチームクラッカーの系統を切り替えて、ナフサ生産を再開可能とのことだ。)

大量の消火剤が散布されたが、全てBASFの排水処理施設を通じて浄化してからライン川に放流したため、汚染物質の濃度は増加していない。

ラインラント・プファルツ州議会では特別委員会が設けられ、事故について、この地域の住民や環境に悪影響があるのかどうかを協議する予定だ。
追記(10月19日):
行方不明者の捜索は、17名のダイバーによって19日11時頃から開始され、最新のプレスリリース(19日14時(ドイツ時間))で、遺体が12時半頃に発見されたことが発表された。
www.basf.com/de/de/company/about-us/sites/ludwigshafen/the-site/news-and-media/news-releases/2016/10/p-16-346.html

生産が止まっているものの、BASF全体で見れば損失の割合は小さいとアナリストが予想したためか、株価は下落していない。
BASFの株価は70ユーロ後半で、過去1年間の高値水準で先週から推移している。
先週発表された四半期決算概要で減収減益となったことの方が注目されているようだ。

BASFのこの工場では、今年も何度か化学物質の漏えい事故があり、特に毒ガスのホスゲンが漏れたことから、緑の党などが徹底的な設備点検を要請していた。
7月にホスゲンが漏れたとき、けが人がいなかったこともあって、BASFの公表は2か月後になり、批判されていた。
今回は危険な物質が漏れなかったが、都市の近くで、そして国際河川のライン川のそばで操業を続けるリスクを再考すべきだろう。
www.swr.de/landesschau-aktuell/rp/naechster-vorfall-in-ludwigshafen-wieder-giftige-gase-bei-basf-ausgetreten/-/id=1682/did=18247992/nid=1682/1iqxk68/

追記2(10月20日):
19日のプレスリリースで、スチームクラッカーは、
火災の影響を受けていない系統に切り替えて、ナフサ生産に使用可能と発表された。

追記3(10月28日):
パイプラインに亀裂が見つかり、ここから可燃性ガスが漏れて発火し、爆発に至ったと推定されている。
外部の業者がパイプラインの補修作業中に、何らかの原因で、可燃性ガスが流れているパイプラインを傷つけたようだ。
その作業員は、現在入院中とのことで、回復してから原因調査が進むものと思われる。
www.faz.net/aktuell/gesellschaft/ungluecke/basf-explosion-ursache-koennte-schnitt-in-rohrleitung-sein-14498556.html

BASFは、3名が死亡し、30名が負傷したこの爆発事故について、安全上の欠陥はなかったと発表している。
年は、毒性のホスゲンの漏えいも含めて、16件もの事故を起こしているため、州議会は臨時議会を招集してBASFに詳細な説明を求めている。
www.faz.net/agenturmeldungen/dpa/basf-sieht-nach-explosion-keine-sicherheitsmaengel-14500116.html

テーマ : 海外ニュース
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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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