翻訳メモリに登録済みの訳文でも確認が必要だと再認識した

現在作業中の英日特許翻訳は、ワード数も多くて、納期ギリギリまでかかると思われるため、日々の買い物の他には予定を入れることができない。
今日も他社からスケジュールの問い合わせがあったが、絶対に無理なので断ってしまった。
2回連続で断ることになったが、体は1つしかないので、これは仕方のないことだ。

ワード数は多くても、提供された用語集と翻訳メモリの訳文を参考にすれば、なんとか間に合うと考えていた。
しかし、以前も経験したように、翻訳メモリに登録済みの訳文であっても、誤訳が残っていたり、複数の候補で表現が異なっていた。

1つの英語原文に対して、2つから4つの和訳が表示されるのだが、言い回しが同じになるように選択しなければならない。
例えば、「本明細書において使用されるとき」 で和訳の入力を続けていたら、しばらくしてから、「本明細書で使用するとき」 を含む候補も表示されるようになった。
そして、「本明細書において使用する際」 なども出てきたので、最初に戻って統一することになった。

他にも、「膨張」 と 「膨脹」 の両方が登録されていたり、「すべて」 と 「全て」 のように表記の統一が必要な場合もみられた。

統一されていれば、どれでもよさそうだが、その特許を出願した企業名とキーワードで、過去の類似特許を検索して参考にしてみた。
オリジナルの出願は英語だが、しばらくすると日本の特許庁に和訳が登録されるから、いくつか見つかった。

これで表現の統一が少しは楽になったわけだが、検索結果の和訳明細書の表現が、翻訳メモリに登録されていないこともあった。
可能性としては、特許庁に提出した最終的な和訳が、翻訳メモリに登録されていないことも考えられる。

また、その検索結果から、最終的な和訳にも誤訳が含まれていることが判明した。

例示されたアニオンについて、英語原文は nitrate であるが、翻訳メモリの訳文では 「窒化物」 で登録されていた。
その特許では、別の個所で、「窒化ケイ素」 などの窒化物が出ていたので、nitride と見間違えたのかもしれない。
最終的に修正されたのかと思ったが、和訳特許の検索でも 「窒化物」 であった。

用語集では、「硝酸塩」 となっていたが、ここではアニオンの名称なので、そのまま「硝酸塩」 に修正するわけにはいかない。
カタカナ表記で 「ニトラート」 にしてもよさそうだが、化学的な表現ではないと思われる。

ということで現時点では、「硝酸イオン」 にしておいた。

まだ25%くらいしか進んでいないので、納期の2日前までに一通り和訳してから、nitrate も含めて、再度見直してみよう。


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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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