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翻訳納品後にクライアントが原稿を一部変更するなんて

どのような仕事でも、相手があるので、自分の思い通りに全てが進むわけではない。
翻訳は1人で独立して行う専門職のように見られるが、基本的にはサービス業なので、クライアントの意向に従って仕事をすることになる。

ほとんどないことではあるが、納期が変更になったり、翻訳そのものがキャンセルになったり、いろいろなことが起こる。
そのような事態が起きても、可能な限り対応しなければならないので、案件を同時に多数抱えることを避けるなど、余裕をもったスケジュールにしておく必要がある。

そして今日は、翻訳を納品して数時間後に、クライアントが原稿を一部修正して再依頼してきたと、翻訳会社の担当者からメールがきた。
そのマイナーチェンジしたというワードファイルを開いてみると、数か所に削除や新しい語句の挿入があった。
30ワード程度の変更で、すぐに終わりそうだったため、本日中に作業をするという返信を出した。

そして既に作業中であった他社案件を中断して、変更個所を確認しながら、和訳を修正した。
提出は明日でもよかったのだが、他社案件に戻りたかったので、1時間後には Trados の返却パッケージを納品した。

翻訳ワード数が増加することになるのだが、クライアントの意向によっては、追加料金はもらえないのかもしれない。
新規に追加した語句の分は追加してもらわないと困るが、翻訳会社の交渉力に期待してみようか。

今回の案件とは異なる理由であるが、数年前に、独日翻訳のチェック案件で、追加料金なしで再提出したことがあった。

そのときは、原文の変更ではなく、表現を変えてほしいという要望だった。

製品の取扱説明書の和訳案件で、チェック前にどのような利用目的なのか翻訳会社に確認したところ、クライアントから特に指定はなかったとのことだった。
ということで、翻訳者の和訳に誤訳がないかだけをチェックして納品した。

するとクライアントからは、製品購入者に渡す取扱説明書なので、お客様向けの表現で再提出してほしいと言われたそうだ。
そして追加で用語集も提示された。

後から出してくるのは困ったものだが、一番困ったのは、予算の上限があるため、追加料金なしで作業してほしいという要望だった。
翻訳会社の立場では、クライアントの要望をそのまま受け入れるしかなかったのかもしれない。
このときはまだ会社員で、翻訳は副業だったので、数千円をもらえなくても、経験を積む方を優先して修正作業をした。

似たようなことは、翻訳関係者ならば誰でも経験しているのかもしれない。

テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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