ドイツ語アルファベット「ß (エスツェット)」の大文字「ẞ」の使用が公式に認められた

(最終チェック・修正日 2017年07月01日)

来週納品の英語特許和訳は、Trados の表示で 95% まで進んだので、残りは明日に作業しよう。
別の翻訳会社から 500 ワードくらいのドイツ語和訳の依頼も来たが、これも明日にしよう。

ということで、ドイツメディアのチェックをしていたら、ドイツ語特有の文字 ß (エスツェット)の大文字
の使用が公式に認められたという記事を見つけた。
Süddeutsche Zeitung の6月29日付けの記事は次の通り。
www.sueddeutsche.de/bildung/rechtschreibung-das-alphabet-bekommt-einen-neuen-buchstaben-1.3566309

そして、ドイツ語正書法を決定している機関 Rat für deutsche Rechtschreibung のプレスリリースは次の通り。
www.rechtschreibrat.com/DOX/rfdr_PM_2017-06-29_Aktualisierung_Regelwerk.pdf

いろいろと変更点が書いてあるが、今回は ß (エスツェット)のところを紹介しよう。

ドイツ語の教科書では、大文字がないとされている ß だが、以前から大文字の使用が提案されていた。
そして上記の、2017年6月29日付けのプレスリリースにより、大文字の使用が公式に許可された。
これまでのように、SS と書くことも選択できる。

せっかく公式に許可されたのだが、PCのキーボードをドイツ語仕様にしても、現時点では大文字はないので、小文字のまま使うしかない。
ドイツ語キーボードでは、ß のキーは数字の 0 の右隣にあるが、シフトキーと一緒に押しても ? が印字される。

大文字エスツェットは、Unicode では U+1E9E であり、IMEパッドで選択すると 「」 と表示できるので、これを使うことになる。
使用頻度は低いと思われるが、毎回選択するのも面倒なので、読みを「えす」にして単語登録した。

実際に 「えす」 と入力して変換すると、きちんと大文字の 「ẞ」 が表示された。


ドイツ語の勉強を始めると、英語と異なるアルファベットに困惑する人もいる。
ウムラウトもそうだが、一番奇妙だと感じるのは ß の存在のようだ。

ギリシャ語のβ(ベータ)と違うことを説明したり、小文字しか使わないことや、大文字で書きたいときは SS にすることを説明する。

しかし、以前は daß と書いていた接続詞は、新正書法では dass と書くだとか、groß のように長母音の後は ss にしないだとか、大文字表記で SS にしてしまうと、別の単語と区別ができない恐れがあるなど、初学者にとっては不便な文字という印象のようだ。

そして、今度は、大文字の使用が許可されたなどと説明すると、教科書と違うではないか、英語よりも面倒だ、などと文句を言われそうだ。
他にも、分離動詞は面倒だ、何でもつなげて長い単語を作るのは変だ、など、英語一辺倒の日本では、ドイツ語は異端のようだ。

そんな人たちにもドイツ語の魅力を伝えて、仕事として翻訳を続けながらも、今回のような話題も含めて、ルター聖書のドイツ語や科学ドイツ語の解説資料を作成するなど、趣味・生涯学習としての語学も継続しよう。

追記(7月1日):
Word を使っているときは、「Ctrl」と「Shift」と「6(&)」とを同時押しした後に、「s」を押すと入力できる。
しかし、小文字エスツェットだけなので、大文字エスツェットは今の設定では入力できない。

ウムラウトを含めて、Word での入力方法のまとめは、次のサイトを参照。
office-qa.com/Word/wd140.htm#um


テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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