遺伝学の用語が改訂される:「優性/劣性」は「顕性/潜性」に
私は専業翻訳者になったため、研究現場からは離れてしまったが、科学界の動向を常に調査する必要がある。
主に担当するであろう化学・製薬・バイオの特許では、金属錯体を用いた新規合成法や核酸医薬、iPS細胞など、最先端の情報をチェックするのも仕事だ。
特に新語も含めた専門用語を、確実に把握しておく必要がある。
専門用語は学会が決めていて、改訂が行われることもあるので、専門の辞典も含めて数年に一度は更新が必要だ。
10年くらい前だったか、β-カロチンがβ-カロテンに変わるなど、物質名を英語読みに近い表記にしたことがある。
必須アミノ酸の和名も学会が決めているので、例えば、トレオニンをスレオニンと書きたい人がいても、私がチェックするときは、トレオニンに訂正することだろう。
しかし、タンパク質とたんぱく質のように、分野によって異なる表記を採用していることもあるので、翻訳するときはその対象分野やクライアントの要望に合わせなければならない。
そして今日の夜、朝日新聞電子版を見ていたところ、遺伝学の用語が改訂される記事が出ていた。
メンデルの法則でも有名な遺伝子の「優性」は「顕性」に、「劣性」は「潜性」になるそうだ。
他にも記事中で紹介されている例がある。
【「バリエーション」の訳語の一つだった「変異」は「多様性」に。
遺伝情報の多様性が一人一人違う特徴となるという基本的な考え方が伝わるようにする。
色の見え方は人によって多様だという認識から「色覚異常」や「色盲」は「色覚多様性」とした。】
日本遺伝学会が総力を挙げてまとめた新遺伝学用語集の「遺伝単」として、9月29日に発行予定である。
www.nts-book.co.jp/item/detail/summary/bio/20170929_182.html
主に担当するであろう化学・製薬・バイオの特許では、金属錯体を用いた新規合成法や核酸医薬、iPS細胞など、最先端の情報をチェックするのも仕事だ。
特に新語も含めた専門用語を、確実に把握しておく必要がある。
専門用語は学会が決めていて、改訂が行われることもあるので、専門の辞典も含めて数年に一度は更新が必要だ。
10年くらい前だったか、β-カロチンがβ-カロテンに変わるなど、物質名を英語読みに近い表記にしたことがある。
必須アミノ酸の和名も学会が決めているので、例えば、トレオニンをスレオニンと書きたい人がいても、私がチェックするときは、トレオニンに訂正することだろう。
しかし、タンパク質とたんぱく質のように、分野によって異なる表記を採用していることもあるので、翻訳するときはその対象分野やクライアントの要望に合わせなければならない。
そして今日の夜、朝日新聞電子版を見ていたところ、遺伝学の用語が改訂される記事が出ていた。
メンデルの法則でも有名な遺伝子の「優性」は「顕性」に、「劣性」は「潜性」になるそうだ。
他にも記事中で紹介されている例がある。
【「バリエーション」の訳語の一つだった「変異」は「多様性」に。
遺伝情報の多様性が一人一人違う特徴となるという基本的な考え方が伝わるようにする。
色の見え方は人によって多様だという認識から「色覚異常」や「色盲」は「色覚多様性」とした。】
日本遺伝学会が総力を挙げてまとめた新遺伝学用語集の「遺伝単」として、9月29日に発行予定である。
www.nts-book.co.jp/item/detail/summary/bio/20170929_182.html
紀伊国屋BookWebではまだ注文できないので、20日頃にもう一度確認してみよう。
目次を見ると、基本用語の解説の前に、「この本で改訂されたおもな訳語」があり、コラムでもいくつか取り上げてある。
これまでの翻訳で、例えば、「対立遺伝子」と「アレル」のどちらにするか迷ったこともあったので、この本の説明を優先することにしたい。
最後には、遺伝学用語対訳集として英和・和英があるので有用だろう。
ドイツ語特許の和訳でも、信頼できる独英辞典で調べてから、この本で和訳を決めることもできるだろう。
個人または会社で用語集を作るときに使えると思う。
私はこの遺伝単の用語を採用したいと思っているが、クライアントが、過去の案件と大幅に違うことを嫌うならば変えられない。
とにかく、新旧どちらも対応できるようにしておこう。
目次を見ると、基本用語の解説の前に、「この本で改訂されたおもな訳語」があり、コラムでもいくつか取り上げてある。
これまでの翻訳で、例えば、「対立遺伝子」と「アレル」のどちらにするか迷ったこともあったので、この本の説明を優先することにしたい。
最後には、遺伝学用語対訳集として英和・和英があるので有用だろう。
ドイツ語特許の和訳でも、信頼できる独英辞典で調べてから、この本で和訳を決めることもできるだろう。
個人または会社で用語集を作るときに使えると思う。
私はこの遺伝単の用語を採用したいと思っているが、クライアントが、過去の案件と大幅に違うことを嫌うならば変えられない。
とにかく、新旧どちらも対応できるようにしておこう。