内閣府支援の研究 「カカオで脳若返り」 実験やり直し
チョコレートは、私が好むお菓子の1つだが、年に数回しか買わない。
前回購入したのは去年の10月で、このときは教会の子供たちとハイキングをするために、おやつとして購入したものだ。
他には、教会の会合などで、お茶菓子として出されるチョコレートを食べている。
最近は、カカオの含有量が高い商品が人気のようで、教会のおばちゃんたちも、私に食べるように勧めてくれた。
何やら、体にいい成分が多いと言っていたような気もしたが、私はリラックス効果のみを期待しているので、詳しいことは調べなかった。
カカオポリフェノールの話は聞いたような気もするが、「カカオ成分が多いチョコレートを食べると脳が若返る」 という研究成果があるそうだ。
しかし、本日8日の報道で、この「カカオで脳が若返る」 という内閣府支援の研究成果は、不適切なものであり、実験やり直しになったという。
日本経済新聞の記事のリンクは次の通り。
www.nikkei.com/article/DGKKZO27844720Y8A300C1CR0000/
【内閣府は8日、製菓大手の明治と共同で「カカオを多く含むチョコレートを食べると脳が若返る可能性がある」と発表し、外部から裏付けが不十分だと指摘された問題について、実験のやり直しを決めた。「発表に慎重さが必要だった」などとする報告書を同日開いた有識者会議に報告した。…】
朝日新聞の記事のリンクは次の通り。
www.asahi.com/articles/ASL384FWPL38ULBJ005.html
【… カカオ成分の多いチョコレートを食べると大脳皮質の量が増えるかを調べていた。しかし、食べなかった人とは比較せずに共同研究先の製菓大手の明治が「学習機能を高める(脳の若返りの)可能性がある」と発表していた。…】
この研究に批判的な日経サイエンスの2017年7月号の記事紹介は次の通り。
www.nikkei-science.com/
【脳の健康に効く製品をつくり出す政府の大型研究プロジェクトに疑問符
… 日経新聞など新聞各紙に明治の全面広告が載った。板チョコと脳を並べた画像を背景に, 「高カカオチョコレートの新しい発見」の文字が目を引く。その下に山川氏と川村和夫・明治社長が並んで立ち, 「内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導するImPACTを通じて『高カカオチョコレート』と『脳の若返り効果』の研究を開始しました」と宣言している構図だ。 …】
この記事が掲載された日経サイエンスは購入していたものの、特集の 「トランプ vs.科学」 ばかり読んでいて、気づいていなかった。
株式会社明治のプレスリリースは次の通り。
www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2017/detail/20170118_01.html
また、研究グループの公開シンポジウム(2017年2月23日)の資料でも、高カカオ含有チョコレートの効果を強調している。
www.jst.go.jp/impact/hp_yamakawa/symposium/download/2016sympo_abstract.pdf
対照群も設定して、厳密に試験をしているのかと思ったが、そのような比較をせずに、わずかな差を有意であるという結論に無理やり誘導したようにも見える。
脳科学の研究は、研究手法も含めてまだ手探り状態と言えるため、いろいろな評価手法を検討したり、食品と脳機能の関係なども幅広く取り扱ってもよいだろう。
ただし、今回のチョコレートの話は、「チョコレートが健康増進に役立ってほしい」 という願望に影響されて、食品企業にとって都合の良い結果を作り出したと批判されても仕方ない。
しかも、他にも、「コラーゲンペプチドを毎日摂取(新田ゼラチン)」や、「ユーグレナを毎日摂取(ユーグレナ)」など、内閣府のプロジェクトが健康食品の販売促進に利用される恐れがある。
効果があまりなくて、「あくまで個人の感想です」 というレベルであっても、「内閣府のプロジェクトで実証」 という宣伝で、だまされる消費者は多いのではないだろうか。
なお、平成20年の資料で少々古いかもしれないが、国民生活センターが高カカオチョコレートに関して調査した報告を紹介しよう。
www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf
高カカオチョコレートでは、脂質の取りすぎになる恐れがあったり、テオブロミンやカフェインなどの生理作用がある物質が、普通のチョコレートよりも多く入っている。
また、カドミウムやニッケルの含有量に注意が必要であることと、カビ毒のアフラトキシンが検出された製品もあるなど、気になる点があった。
体に良いものを食べたいというのは当然だが、慎重に情報を吟味すべきだと感じた。
前回購入したのは去年の10月で、このときは教会の子供たちとハイキングをするために、おやつとして購入したものだ。
他には、教会の会合などで、お茶菓子として出されるチョコレートを食べている。
最近は、カカオの含有量が高い商品が人気のようで、教会のおばちゃんたちも、私に食べるように勧めてくれた。
何やら、体にいい成分が多いと言っていたような気もしたが、私はリラックス効果のみを期待しているので、詳しいことは調べなかった。
カカオポリフェノールの話は聞いたような気もするが、「カカオ成分が多いチョコレートを食べると脳が若返る」 という研究成果があるそうだ。
しかし、本日8日の報道で、この「カカオで脳が若返る」 という内閣府支援の研究成果は、不適切なものであり、実験やり直しになったという。
日本経済新聞の記事のリンクは次の通り。
www.nikkei.com/article/DGKKZO27844720Y8A300C1CR0000/
【内閣府は8日、製菓大手の明治と共同で「カカオを多く含むチョコレートを食べると脳が若返る可能性がある」と発表し、外部から裏付けが不十分だと指摘された問題について、実験のやり直しを決めた。「発表に慎重さが必要だった」などとする報告書を同日開いた有識者会議に報告した。…】
朝日新聞の記事のリンクは次の通り。
www.asahi.com/articles/ASL384FWPL38ULBJ005.html
【… カカオ成分の多いチョコレートを食べると大脳皮質の量が増えるかを調べていた。しかし、食べなかった人とは比較せずに共同研究先の製菓大手の明治が「学習機能を高める(脳の若返りの)可能性がある」と発表していた。…】
この研究に批判的な日経サイエンスの2017年7月号の記事紹介は次の通り。
www.nikkei-science.com/
【脳の健康に効く製品をつくり出す政府の大型研究プロジェクトに疑問符
… 日経新聞など新聞各紙に明治の全面広告が載った。板チョコと脳を並べた画像を背景に, 「高カカオチョコレートの新しい発見」の文字が目を引く。その下に山川氏と川村和夫・明治社長が並んで立ち, 「内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導するImPACTを通じて『高カカオチョコレート』と『脳の若返り効果』の研究を開始しました」と宣言している構図だ。 …】
この記事が掲載された日経サイエンスは購入していたものの、特集の 「トランプ vs.科学」 ばかり読んでいて、気づいていなかった。
株式会社明治のプレスリリースは次の通り。
www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2017/detail/20170118_01.html
また、研究グループの公開シンポジウム(2017年2月23日)の資料でも、高カカオ含有チョコレートの効果を強調している。
www.jst.go.jp/impact/hp_yamakawa/symposium/download/2016sympo_abstract.pdf
対照群も設定して、厳密に試験をしているのかと思ったが、そのような比較をせずに、わずかな差を有意であるという結論に無理やり誘導したようにも見える。
脳科学の研究は、研究手法も含めてまだ手探り状態と言えるため、いろいろな評価手法を検討したり、食品と脳機能の関係なども幅広く取り扱ってもよいだろう。
ただし、今回のチョコレートの話は、「チョコレートが健康増進に役立ってほしい」 という願望に影響されて、食品企業にとって都合の良い結果を作り出したと批判されても仕方ない。
しかも、他にも、「コラーゲンペプチドを毎日摂取(新田ゼラチン)」や、「ユーグレナを毎日摂取(ユーグレナ)」など、内閣府のプロジェクトが健康食品の販売促進に利用される恐れがある。
効果があまりなくて、「あくまで個人の感想です」 というレベルであっても、「内閣府のプロジェクトで実証」 という宣伝で、だまされる消費者は多いのではないだろうか。
なお、平成20年の資料で少々古いかもしれないが、国民生活センターが高カカオチョコレートに関して調査した報告を紹介しよう。
www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf
高カカオチョコレートでは、脂質の取りすぎになる恐れがあったり、テオブロミンやカフェインなどの生理作用がある物質が、普通のチョコレートよりも多く入っている。
また、カドミウムやニッケルの含有量に注意が必要であることと、カビ毒のアフラトキシンが検出された製品もあるなど、気になる点があった。
体に良いものを食べたいというのは当然だが、慎重に情報を吟味すべきだと感じた。