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【聖書でドイツ語】イエスの昇天:gen Himmel auffahren

明日5月13日日曜日は、「主の昇天の主日」 である。

今年2018年のイースター、つまり主イエスの復活を祝う主日は、4月1日であった。
聖書の記述によれば、復活してから40日後に天に昇ったことになっているため、その40日後に一番近い日曜日に、主の昇天を祝う礼拝をする。

私の教会では、教会暦にあまりこだわらずに礼拝をするので、明日は主の昇天の個所を読むわけではない。

ただ、様々なキリスト教関係のサイトでは、「今日の聖句」で、ここ数日は昇天に関する個所を紹介している。
例えば、ドイツの福音派教会 EKD のサイトは次のリンク。
www.ekd.de/

今日5月12日にアクセスすると、ルカによる福音書24章51節を紹介していた。

以下に示す聖書個所は、ドイツ語がルター訳聖書2017年改訂版、日本語が新共同訳である。
(それぞれ原典から翻訳しているため、ドイツ語と日本語との内容は一致しないことに注意)

・ルカによる福音書24章51節

ドイツ語: Und es geschah, als er sie segnete, schied er von ihnen und fuhr auf gen Himmel.
      (そして次のことが起きた。イエスは彼らを祝福しながら離れて、天に昇られた。)

日本語: そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた

ギリシャ語原文では、受動態のため、日本語の「天に上げられた」の方が、原文に忠実な翻訳と言えるだろう。

ドイツ語で、動詞 「昇天する」 は、auffahren (不規則の分離動詞)である。

「天に向かって」 という前置詞句を加えて、ルター訳のように gen Himmel auffahren とすることもある。
また、動詞を fahren にして、gen Himmel fahren でも同じ意味だ。

ルター訳では、auffahren の過去形が分離した形で先に出て、fuhr auf gen Himmel となっているが、これはギリシャ語原文の語順のまま、つまり逐語訳のようになっている。

ルター訳聖書では、例えば、「~の人々は幸いである(Selig sei, ..)」は、ギリシャ語の表現をそのまま借用した翻訳となっているので、ここでもギリシャ語のまま借用したと言えるだろう。

これは、イエスが天に上ってゆく様子を動的に表現しているとも言えるかもしれない。
イエスの体が次第に上昇して、そして天に向かってどんどん昇っていき、最後には見えなくなった、という映画のシーンが思い出される。

また、名詞 「昇天」 は、Auffahrt または Himmelfahrt で、いずれも女性名詞。

他の個所での記載も比較のために記しておこう。

・マルコによる福音書16章19節
Nachdem der Herr Jesus mit ihnen geredet hatte, wurde er aufgehoben gen Himmel und setzte sich zur Rechten Gottes.

主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。

・使徒言行録1章9-10節
9Und als er das gesagt hatte, wurde er vor ihren Augen emporgehoben, und eine Wolke nahm ihn auf, weg vor ihren Augen.
10Und als sie ihm nachsahen, wie er gen Himmel fuhr, ..

9こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。
10イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。…

auf|heben* 他 (h) 上方に持ち上げる
empor|heben* 他 (h) 持ち上げる

テーマ : 聖書・キリスト教
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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