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定期健康診断もできればオーダーメイドにしてほしいものだ

会社員であることのメリットは何かと言えば、福利厚生を挙げる人は多いのではないだろうか。

厚生年金保険料や健康保険税を折半するので、個人事業主としてすべてを支払うよりは楽になる。
例えば、私が住む自治体の健康保険と比較すると、現在の協会けんぽでは、私が支払う保険税は、約40%の金額で済んでいる。

また、雇用主は、社員に定期健康診断を受けさせる義務があり、その費用も会社が負担する。
何か異常な所見があって、精密検査になっても、その費用も会社が負担する。
実際に治療が必要になった場合は、そこから自己負担3割かかるが、それでも最初から自己負担がある場合よりも有利だ。

ただし、様々な検査や治療薬などが無駄なのかどうかを意識する必要がある。
医薬メーカーの元研究員なので、自社の薬が売れることを期待してはいたが、無駄遣いで健康保険の制度が破綻することは望んでいなかった。

実は、ある治療をしていたとき、自社の薬を服用していたのだが、ジェネリックが発売されたので、医師に頼んで、そのジェネリック薬の処方箋を出してもらった。

また、膿の細菌検査の結果を見たとき、その結果が出るまで念のため強力な抗生物質を処方されていたのだが、「この結果ならば、これほど広範な抗菌スペクトルを持つ抗生物質ではなくてもよいはずです」 と医師に意見を言って、別の抗生物質に変えてもらったこともある。

そんな私なので、定期健康診断のメニューも、できればオプションでオーダーメイドにしてみたい。

そして今週の東洋経済(2018年5月26日号)には、「医療費のムダ」 という、私の主張を補強してくれる特集が掲載されている。
toyokeizai.net/articles/-/221458

実際にこれまで、バリウムを飲む胃の健診は、できるだけ受けないようにしてきた。
健診すべき年齢に到達してから、3回だけ受診したが、X線を浴びるくらいならば、内視鏡検査の方が異常の有無がはっきりする。

特に私の場合、検診車の胸部レントゲン装置では撮影範囲が狭く、通常の撮影では左右の端が欠けてしまう。
そのため、通常の撮影後、左に寄った範囲と、右によった範囲を追加で撮影していた。
照射するX線強度を80%くらいに低減していたものの、余計なX線を浴び続けていたため、胃部X線検査はキャンセルした。

そして、今年の健康診断でも、胃部X線検査をキャンセルして、その代わりに、血液検査のオプションとして、「胃がんリスク検査」 を選択した。
血液検査でピロリ菌感染の有無が判定でき、感染していれば胃カメラ検査をしたり、除菌をすることになる。

胃部X線検査をやめると検査費用は約3000円減り、「胃がんリスク検査」を追加すると2000円増える。
約1000円と少額ではあるが、医療費の削減と、不要なX線被ばくを避けることができた。

血液検査でわかることは年々増えているし、検査項目が複数であっても、採血は1回で済むので負担は少ない。
まず血液検査でリスクが高い人を絞り込む方が効率的だし、メリットがはっきりしないバリウム検査に固執する必要はない。

医学は日進月歩の分野のはずなのに、医療制度というものが人々の選択の自由を奪っているのかもしれない。

テーマ : 医療・健康
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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