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【聖書でドイツ語】マルコ福音書の「第六時」は現在の時間で「正午」

聖書の翻訳で、時間の表記が問題になっていることがある。
特に新約聖書で、ユダヤ式なのかローマ式なのか。
この話題は、2018年末に刊行予定の「聖書協会共同訳」を見てから取り上げることにしよう。

ユダヤ式に昼間の時間を数えるときは、現在の6時から18時までに相当する時間を12等分している。
そのため、「第六時」は、現在の正午に相当するそうだ。

今回は、イエスの十字架の死の時間について、マルコによる福音書から引用しよう。

第15章33節で、全地が暗くなった時間は、ギリシャ語原文も、ルター訳でも 「第六時」で、新共同訳では、以下に示すように 「昼の十二時」、つまり「正午」。

また、続く34節で、イエスが叫ばれた時間は、ギリシャ語・ルター訳は「第九時」で、新共同訳は「三時」。

ギリシャ語原文に忠実に翻訳して、「第六時」と書いてあっても、注釈がないと誤解をまねくであろう。

他にも聖書の用語には、例えば「罪」など、日本語の日常的な意味に引きずられて、誤解してしまうものがあるので気をつけたい。

マルコによる福音書第15章33~34節
33 Und zur sechsten Stunde kam eine Finsternis über das ganze Land bis zur
neunten Stunde. 34 Und zu der neunten Stunde rief Jesus laut: Eli, Eli, lama asabtani? Das heißt übersetzt: Mein Gott, mein Gott, warum hast du mich verlassen?

33 昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。
34 三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」 これは、
「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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