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英訳特許に誤訳があるときの対応とは

私はドイツ語特許の和訳を中心に実績を作りたいのだが、現状では英語特許の和訳が約9割となっている。
自動車や工作機械分野などのドイツ企業は、今でもドイツ語で特許出願しているのだが、今はどうしても英語で出願された特許の方が多い。
そのためフリーランスの場合は、英語で収入を確保して、ドイツ語などの第二外国語でプラスアルファを狙うのが現実的な選択だろう。

ドイツ語特許の和訳を発注するクライアント側に、ドイツ語を理解する人材がいないということも経験した。
そのような事情も影響しているのか、オリジナルがドイツ語の特許でも、英訳ができるのを待ってから、和訳を依頼されることもある。

翻訳関係の雑誌記事で読んだのだが、英語の方がワード単価が安いから、という理由もあるかもしれないが、実際には、納品後の検品ができる英語から和訳をしてほしいのかもしれない。

以前も指摘したが、英訳特許には、誤訳が含まれていることに注意しなければならない。

名詞の格や前置詞の意味を誤認したと思われる英訳を見たことがある。
そのため翻訳者には、英訳特許の和訳であっても、オリジナルのドイツ語特許の内容を理解して、誤訳を指摘できる能力が求められる。

誤訳というよりも、誤記のレベルのこともあるが、このときにいつも悩むのが、誤記もこのまま和訳しなければならないことだ。
ドイツ語オリジナルから和訳すれば正しいのに、間違った英訳から和訳すると、その間違いを引きずってしまう。
とりあえず、ドイツ語では正しいというコメントを付けて、その後の判断はクライアントに任せようと思う。

それで、私が専門の化学系の特許で、特に化合物名で、どのような間違いが発生しているのか、いくつか紹介しておこう。

化合物名での誤記と思われるものは次のようなものがあり、ドイツ語オリジナル -> 英語の誤記 の順に示す。
Ether -> either
Menthyl -> methyl
Carbonsäurenitril -> carboxylic acid nitrile

また、複数形を理解せずに、英語では存在しない化合物名になっている例は次の通り。
Gemisch aus Butanolen, .. -> mixture of butanolene, .. 

炭素数4のブタノールには、構造が異なる4種類の異性体がある。
そのため、「ブタノール類」と種類を表すとき、
ドイツ語の Butanol は複数形 Butanole にでき、しかも前置詞 aus の後なので複数3格の Butanolen になっている。

英語では butanols になるわけだが、Butanolen という化合物があると誤認した化学を知らない翻訳者によって、butanolene という英訳になってしまった。

先ほど、Google 翻訳に入れたら、正確に英訳していた。
このようなことを指摘しながら、化学者が翻訳することのメリットも示していきたい。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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昨年、ドイツ語特許の英訳をもとにして、和訳する案件を受注した。 ドイツ語から和訳して、重訳を避けるべきだが、英語の方が単価が安いため、そしてドイツ語がわからないクライアントの場合、英訳ができてから和訳を依頼することもある。 トラックバック記事にあるように、記載された化合物名が特許内容に合わないし、誤記も多いと感じた。 オリジナルのドイツ語特許を確認すると、誤訳であることが判明し...

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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