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新聞によって「タンパク質」と「たんぱく質」の二通り

本日発表されたノーベル化学賞は、タンパク質関連の研究に対して授与された。
最近は抗体医薬の特許も増えているので、今回の受賞対象の研究について、その内容を理解しておくことが必要だろう。
資金をなんとか工面して、日経サイエンスの定期購読を再開したいものだ。

このノーベル化学賞のニュースを読んでいて、新聞によって「タンパク質」と「たんぱく質」の二通りの表記があることに気づいた人も多いだろう。

この基本的な栄養素の名称は、ギリシャ語由来で、英語では protein、ドイツ語でも Protein と書く。
ドイツ語では日常語・口語では Eiweiß とも書き、これは元々は「卵白」という意味だ。
古い表記では Eiweißstoff で、これを日本語に直訳すると、漢字表記で「蛋白質」になる。

「卵」を意味する「蛋」は、常用漢字ではないため、学術用語では「タンパク質」とカタカナ交じりの表記だ。
有機酸の「蟻酸」を「ギ酸」と書くのと同様である。

しかし、食品関係では「たんぱく質」と平仮名交じりである。
例えば、株式会社明治の食育サイトを参照しよう。
www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/know_milk/02/num01_02.html

そして新聞では、各社が独自に用語の手引きを作成しているので、二通りの表記が見られる。
配信記事を見ると、時事通信社は「たんぱく質」で、共同通信社は「タンパク質」。
また、日本経済新聞と朝日新聞は「たんぱく質」。

最近の特許でも両方使われているが、「タンパク質」の方が圧倒的に多い。
特許は学術論文ではないかもしれないが、できれば学術用語の「タンパク質」に統一してほしいものだ。


(最終チェック・修正日 2016年09月27日)12年前に副業として翻訳を始めてから、購入した紙ベースの辞書や専門分野の辞典、文法解説書など、語学関連書籍の半分以上を、確定申告では経費として計上してきた。様々な病名が出てくる特許や報告書などの英日翻訳のときは、日本医学会の「医学用語辞典第3版」を購入して確認した。本体価格が 14,000円もしたので、経費にできて助かった。最近は何でもインターネットで調べるように...
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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