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ドイツ語:自動詞 gedenken が2格名詞ではなく3格名詞をとる?

もうすぐ最後のページに到達するドイツ語和訳案件では、専門用語だけでなく文法事項でも迷うことがある。
まあ、細かいことは無視しても、和訳に影響しない場合もあるのだが、gedenken の例をメモしておこう。

Im August 2008 wurde dem Geiseldrama von Gladbeck gedacht.
「2008年8月に、グラートベックの人質事件が取り上げられた。」(雑誌やテレビのルポが出たことを指して)

自動詞の gedenken は2格名詞をとるのだが、ここでは3格名詞になっている。

確認のために、小学館独和大辞典の語義説明を転記しておこう。

gedenken* gedachte / gedacht
I 自 (h)
1 ((雅)) ((js./et.2)) (…のことを)思い出す,想起する,[心に]思う,忘れない;(故人を)しのぶ
2 ((js./et.2)) (…に)言及する,(…について)述べる

DUDEN を見ても2格名詞をとるのは確かだ。

ドイツ人でもうっかりミスを するということなのか、それとも2格名詞を使うのは古臭いので、最近は3格名詞を使う方が違和感がないということなのだろうか。

1番目の語義が ((雅)) とあるが、2格名詞をとるところからも文語的雰囲気がする。
この意味では an et.4 denken で書き換え可能である。


他にも、2格支配の前置詞 wegen でも、3格名詞を使っている例が、口語では増えている。
留学中もドイツ人に、「日本では wegen + 2格 と習うのか」 と質問されたことがあるし。

文章を書くときは、辞書どおりに2格名詞を使うことにするが、100年前のドイツ語と呼ばれないように、現代ドイツ語の変化にも注意したいものだ。

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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