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ドイツで新生児の手の奇形が増えている?

ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州のゲルゼンキルヘンにある聖マリア病院(Sankt-Marien-Hospital)で、今年6月から今月9月上旬までに誕生した新生児3人で、手に奇形が見られたという。

短期間に連続したことで、奇形の発生率が高くなっているのではないかと、ケルンの助産師が指摘し、専門家が原因を調査しているという。

放送局WDRの9月13日の記事は次の通り。
www1.wdr.de/nachrichten/ruhrgebiet/fehlbildung-gelsenkirchen-ursachensuche-hebamme-100.html

この指摘の後、この10年近くに見られた、約30件の類似の手の奇形が報告された。

この記事を受けて、9月16日のZEITの記事は次の通り。
www.zeit.de/wissen/gesundheit/2019-09/fehlbildungen-saeuglinge-deformation-haende-krankenhaus-geburt-gelsenkirchen/komplettansicht

奇形を持つ新生児の割合は、1~2%とのことだが、今回のように同じ病院で短い期間に、しかも同じような手の奇形が出現することは滅多にないようだ。

今回の3件の家族について、民族的・文化的・社会環境的にも共通点はないようだ。
妊婦が服用した医薬品や環境有害物質の影響が疑われているが、はっきりしたことはまだわからない。
類似の奇形はフランスでも報告されているとのことなので、協力して原因調査が進むことを期待したい。

新生児の手の奇形というと、サリドマイド(Contergan)を思い出す。
化学・医薬は人々の健康を支えてきたが、ネガティブな一面ということで、研究者は忘れてはならない事件だ。
もし医薬品の未知の副作用であると判明したならば、すぐに警告を出して、被害の拡大を防いでほしいものだ。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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