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【聖書でドイツ語】 「部分の2格」をとる geben の古い用法

ドイツ語特許の和訳で使う辞書の1つは、小学館の独和大辞典第二版である。

古語や雅語も載っているので、19世紀の文献だけではなく、ルターの聖書やハイデルベルク信仰問答などの古い文献を読むときにも、ある程度使える辞書である。

さらに、例文として聖書の一節が引用されているのも、キリスト教徒としてうれしい辞書だ。

そして今日、基本的な動詞 geben(与える)の説明の冒頭に、箴言第22章9節が引用されていることを初めて知った。
初版にも同じ説明があったので、30年以上も使っていて初めて気づいたのだ。

動詞 geben は、基本的に「人3格に物4格を与える」という意味で、目的語を2つとる。
ただし、古い用法では、物4格ではなく、物2格(部分の2格)をとることもあったそうだ。

独和大辞典の説明を引用しておこう。
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古くは Er gibt seines Brots den Armen.(彼は自分のパンを貧しい人たちに与える.聖書:箴22, 9)のように(いわゆる部分の)2格を目的語にとることがまれではなかった.
今日でも jm. von dem Obst geben(…に果物を与える)のように部分の2格に相当する von et.3 が目的語になることもさほど珍しくはない.
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では、箴言第22章9節について、ルターの聖書を年代順に並べて比較してみよう。
1545年版が2格で、現代ドイツ語に改訂された1912年版以降は von 3格になっている。

Luther 1545:
9 Ein gut Auge wird gesegnet; denn er gibt seines Brots2 den Armen.

Luther 1912:
9 Ein gütiges Auge wird gesegnet; denn er gibt von seinem Brot3 den Armen.

Luther 1984:
9 Wer ein gütiges Auge hat, wird gesegnet; denn er gibt von seinem Brot3 den Armen.

Luther 2017:
9 Wer ein gütiges Auge hat, wird gesegnet; denn er gibt von seinem Brot3 den Armen.

新共同訳:
9 寛大な人は祝福を受ける 自分のパンをさいて弱い人に与えるから。

聖書協会共同訳:
9 善意に溢れるまなざしの人は祝福される。 自分のパンを弱い人に与えるから。

geben を調べたのは偶然ではあったが、この箴言の言葉に出会ったのも意味があるだろう。
ちょうど今日は、WWFから寄付の感謝状と、年会費の案内が来たから。
私はそれほど金持ちではないが、できるだけ寄付をしようと思う。
また、お金ではなくても、様々な奉仕で他者のために働こうと思う。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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