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結晶学: orthorhombic は「直方晶系」

私は翻訳会社の社内翻訳者として、英日・独日特許翻訳を行っている。
翻訳者になる前の専門は化学であるが、自然科学系全般は、参考資料を読み込めば何とか理解できるので、様々な分野の和訳に取り組んでいる。

最近翻訳した材料系のドイツ語特許では、結晶学の用語が出てくるので、念のため確認しながら和訳した。
化学でもX線構造解析などで結晶の知識は必要だが、すべての事項を暗記しているわけでもなく、時間が許す限り気になることは調べている。

作製した材料の結晶学的特徴として、ドイツ語では orthorhombisch
と書いてあった。
英語ではよく似た綴りで、orthorhombic である。
以下では、わかりやすくするために、この英語での専門用語についてメモしておきたい。

結論から記すと、日本結晶学会が提案した新しい訳語の「直方晶系」とすべきである。

日本結晶学会の2014年の総会決議に関するリンクは次の通り。
crsj.jp/activity/orthorhombic.html

研究社のオンライン辞書KODで検索すると、複数の辞書で、いずれも斜方晶系のであった。

そして、ネットで「斜方晶」や「斜方晶構造」などを検索したところ、日本結晶学会が直方晶系を使うように提案していたことを知った。

ということで、クライアントに連絡するための翻訳メモには、念のため、「直方晶系」という訳語を採用したことを記入した。

常に様々な分野の情報を集めていても、最新の動向をすべて把握しているわけではないので、仕事をするときには、心配性と言われようが、1つずつ丁寧に用語の確認をしていきたい。

このように用語の改訂が行われたが、最新の特許であっても、未だに「斜方晶系」が使われている。
ほぼ同じ時期に出願された、同一企業の特許なのに、「斜方晶系」と書いてあるものと、「直方晶系」と書いているものがある。
以前の出願と統一したのかもしれないが、できるだけ最新の用語を使ってほしいものだ。

ちなみに、一般的によく使われるオンライン辞書の英辞郎でも検索すると、以下のスクリーンショットに示すように、斜方晶系直方晶系の両方が掲載されている。

英辞郎を過大に評価する人もいるようなので、複数の情報源で確認することの重要性を指摘しておきたい。

直方晶

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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