自然保護団体WWFジャパンも日本学術会議会員の任命拒否に抗議
憲法を改正して日本を戦争ができる国にしたい政権・自民党連合は、戦前・戦中のように、科学者に軍事研究をさせようとしている。
そして、軍事研究に関わらないことを宣言している日本学術会議に対して、推薦された新会員の任命拒否で圧力をかけている。
学問・知識の蓄積という行為がまだ文化になっていない、後進国日本の現状を表している。
日本学術会議が宣言しても、日本の研究者の中には、攻撃用兵器ではない防衛目的であれば資金援助を受けてもかまわないと主張する人もいるし、自衛隊の海外派兵を持論とする研究者もいる。
そうであっても、理想論かもしれないが、ノーベル賞の理念も含めて、研究は人類の幸福と平和な世界の実現のために行うべきだ。
国際協力が必要な大型プロジェクトもあるし、日本の利益のためだけに研究するというのは視野が狭すぎる。
最近話題になったブラックホールの影の撮影でも、世界各地の電波望遠鏡を動員して、各国のチームが協力して実現できた研究である。
今月発表された論文でも、日本と中国の研究チームが共同でハワイすばる望遠鏡を用いて、異常なリチウム増加を示す赤色巨星を観測し、ヘリウム核融合を起こしているクランプ星であることを世界で初めて明らかにした。
subarutelescope.org/jp/results/2020/10/05/2904.html
国際協力が重要な役割を果たすことが多くなり、日本のアカデミックの窓口の1つとして日本学術会議は重要だ。
他にも日本学術振興会など、国際協力事業に関わる組織はあるが、省庁の影響を排除した独立組織の方がふさわしいと思う。
様々な学会や団体が、菅政権による任命拒否問題に抗議している。
そして10月13日には、私が会員の自然保護団体WWFジャパンが、日本自然保護協会と日本野鳥の会との連名で抗議声明を発表した。
次のリンクで確認してほしい。
www.wwf.or.jp/activities/statement/4445.html
【私たち3団体は、生物多様性保全や気候変動などの分野で自然を守り、社会に貢献する目的で各分野の研究者の方々とも自由に議論を交わしながら活動してまいりました。今回の日本学術会議会員の任命拒否は、政権が学会及び研究者に圧力をかけていることにほかなりません。このことが自由な議論への圧力ともなり、不要な忖度や萎縮を引き起こし、政策の適切な実施を阻害するおそれがあります。私たち自然保護団体はそのようなことが起こらないことを願い、抗議声明を表明します。】
WWFジャパンはこれまで、沖縄での自然保護活動や捕鯨問題、マグロの漁獲規制など、日本政府や族議員が反発する主張をしてきた。
秋篠宮皇嗣殿下が名誉総裁なのだが、キリスト教の価値観を日本に導入しようとしていると批判されたこともある。
国際的な水産物のエコラベル制度を導入しようとしたときも批判され、日本の水産関係者は対抗策として独自のエコラベル制度を作った。
気候変動対策や再生可能エネルギー導入などでは、いろいろと邪魔をされることもあるのだが、そんな政府の意向を気にせずに、社会貢献のために専門家と自由に議論しながら活動できるようにしたい。
持続可能な開発目標SDGsの推進では、政府の方針と対立することもあるだろう。
政府から圧力があったとしても、人類の幸福のために、自然保護の立場から警告すべきこともある。
政府はその警告を無視することもできるが、その結果の責任を負う覚悟でやってもらいたい。
そして、軍事研究に関わらないことを宣言している日本学術会議に対して、推薦された新会員の任命拒否で圧力をかけている。
学問・知識の蓄積という行為がまだ文化になっていない、後進国日本の現状を表している。
日本学術会議が宣言しても、日本の研究者の中には、攻撃用兵器ではない防衛目的であれば資金援助を受けてもかまわないと主張する人もいるし、自衛隊の海外派兵を持論とする研究者もいる。
そうであっても、理想論かもしれないが、ノーベル賞の理念も含めて、研究は人類の幸福と平和な世界の実現のために行うべきだ。
国際協力が必要な大型プロジェクトもあるし、日本の利益のためだけに研究するというのは視野が狭すぎる。
最近話題になったブラックホールの影の撮影でも、世界各地の電波望遠鏡を動員して、各国のチームが協力して実現できた研究である。
今月発表された論文でも、日本と中国の研究チームが共同でハワイすばる望遠鏡を用いて、異常なリチウム増加を示す赤色巨星を観測し、ヘリウム核融合を起こしているクランプ星であることを世界で初めて明らかにした。
subarutelescope.org/jp/results/2020/10/05/2904.html
国際協力が重要な役割を果たすことが多くなり、日本のアカデミックの窓口の1つとして日本学術会議は重要だ。
他にも日本学術振興会など、国際協力事業に関わる組織はあるが、省庁の影響を排除した独立組織の方がふさわしいと思う。
様々な学会や団体が、菅政権による任命拒否問題に抗議している。
そして10月13日には、私が会員の自然保護団体WWFジャパンが、日本自然保護協会と日本野鳥の会との連名で抗議声明を発表した。
次のリンクで確認してほしい。
www.wwf.or.jp/activities/statement/4445.html
【私たち3団体は、生物多様性保全や気候変動などの分野で自然を守り、社会に貢献する目的で各分野の研究者の方々とも自由に議論を交わしながら活動してまいりました。今回の日本学術会議会員の任命拒否は、政権が学会及び研究者に圧力をかけていることにほかなりません。このことが自由な議論への圧力ともなり、不要な忖度や萎縮を引き起こし、政策の適切な実施を阻害するおそれがあります。私たち自然保護団体はそのようなことが起こらないことを願い、抗議声明を表明します。】
WWFジャパンはこれまで、沖縄での自然保護活動や捕鯨問題、マグロの漁獲規制など、日本政府や族議員が反発する主張をしてきた。
秋篠宮皇嗣殿下が名誉総裁なのだが、キリスト教の価値観を日本に導入しようとしていると批判されたこともある。
国際的な水産物のエコラベル制度を導入しようとしたときも批判され、日本の水産関係者は対抗策として独自のエコラベル制度を作った。
気候変動対策や再生可能エネルギー導入などでは、いろいろと邪魔をされることもあるのだが、そんな政府の意向を気にせずに、社会貢献のために専門家と自由に議論しながら活動できるようにしたい。
持続可能な開発目標SDGsの推進では、政府の方針と対立することもあるだろう。
政府から圧力があったとしても、人類の幸福のために、自然保護の立場から警告すべきこともある。
政府はその警告を無視することもできるが、その結果の責任を負う覚悟でやってもらいたい。
科学を軽視する政治家として、トランプ大統領やボルソナロ大統領が有名だったが、今週は菅義偉首相が加わったようだ。日本学術会議から推薦された候補者のうち6名の任命を拒否したことが、アメリカの科学誌 Science のウェブサイトで記事になった。10月5日付けの記事は次のリンクから。www.sciencemag.org/news/2020/10/japan-s-new-prime-minister-picks-fig
菅義偉首相は Nature を読むことになる?