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クランツとリース

会話をしたり文章を書くときに、自分が把握している言葉の定義を、相手も知っていると思い込んでいることが多い。

それで話を続けているうちに、どこかで違和感が生じ始めることになり、そこでようやく「〇〇という意味ですよね」などと確認することになる。

最近は、教会でクリスマスの準備をしているときに経験した。
私はクランツもリースも同じもので、ドイツ語由来と英語由来で違う呼び名になっているという認識だった。

しかし、飾り付けの準備を担当するベテラン会員の話では、以下の写真と一緒に示すように、吊り下げるものをリースと呼び、4本のろうそくを立ててテーブルや台の上に置くものをクランツと呼んで区別しているそうだ。


リース      アドベントクランツア
 クランツ/リース = リース     アドベントクランツ/アドベントリース = クランツ

アドベントクランツの略称としてクランツと呼んでもかまわないと思うが、クランツとリースが元々同じものなので、責任者である伝道委員長の私は困ってしまった。

この教会ではそういう区別をするのがしきたりなのだと、辞書的な定義を持ち出さずに、教会にいるときには頭の中で変換して使うことにした。

それでも委員会で配布する文書では、今年は「アドベントクランツ(クランツ)」と書いてみて、後で意見を聞いてみようと思っている。

話題にしたついでに、Adventskranz(アドベントクランツ)について、独和辞典がどのように説明しているのか引用しておこう。
特に、2) の三修社アクセス独和辞典では、「待降節のリース」という説明なので、クランツとリースは同じものという認識だ。

1) 小学館独和大辞典第2版8刷
  待降節の飾り環(モミやドイツトウヒの枝を環状に編んだもの.これに4本のろうそくを立てて,Adventssonntagごとにその一つに火をともしてクリスマスを待つ).

2) 三修社アクセス独和辞典3版9刷
  (モミの小枝で作った)待降節のリース

3) 三修社新現代独和辞典新装版第1刷
  アドヴェントクランツ(待降節に飾るモミの小枝を編んだ環.それにろうそくを四本立てる).

4) 大修館書店マイスター独和辞典3版
  待降節のモミの円形飾り.

5) 郁文堂独和辞典第2版第13刷
  アドヴェントクランツ(樅の小枝で編んだ環で待降節の日曜日ごとに1本ずつ蝋燭の数をふやしてともす).

テーマ : 雑学・情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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