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「現代における英文解釈の意義について」(北村一真、「英語教育」2021年8月号)

今日は紀伊國屋書店に行って、定期購読雑誌と取り寄せた書籍を受け取った。
COVID-19 の感染者数が減らないので、ここ数か月は紀伊國屋書店に行くのは月1回だけにして、まとめて受け取っている。

「きょうの料理ビギナーズ」の発売日以降に行くので、「英語教育」は約1週間遅れで読んでいることになる。
すでに取り上げた人もいるかもしれないが、「英語教育」2021年8月号から、気になった記事についてメモしておこう。

第2特集は、英語との古くて新しいつきあい方 英文解釈のススメ
ここで取り上げるのは、北村一真・杏林大学准教授の現代における英文解釈の意義について

北村准教授の最近の著書、「英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで」(中公新書)を読んだ人ならば、第1章に書かれている読解力の大切さを思い出すだろう。

今回の記事でも、「英語の読み方」での指摘を繰り返している。

【今後、英語を「正しく読む力」の養成は1つの大きな課題になっていくように思います。……インターネットやスマートフォンの普及した現代社会にあっては「読む力」の有無こそが独学の質や可否に大きく影響する現実があるからです。】

そして、正確に読めることのアドバンテージについて、読む力、聞く力、話す・書く力の面から説明している。

大学受験レベルの英文を時間をかければ理解できるならば、あとは語彙力を高めれば、読む力を実用レベルに上げることができる。

正しく読む力があれば、聞く力について独学が容易になることも指摘している。
今は様々な動画が英語字幕付きで公開されているので、字幕を理解できることで、リスニングでの自分の問題点に気づくことができるからだ。

そうやって覚えたフレーズについて、暗唱できるくらいに覚えこめば、ライティングやスピーキングで役立つ表現のストックになる。
英文の構造や組み立てを理解している人は、暗記した英文と別の文を組み合わせて、応用的な表現を生み出すこともできる。
しかし、原文を日本語にするとどうしてそのような訳になるのか理解できていない人では、とうてい真似できないことだ。

私の場合、大学受験のために英語を勉強するのは嫌で、海外短波放送を聴いたりNHKの語学講座で独学してバランスを取っていたが、週1回の英文精読の授業の他に、夏休みと冬休みに1冊ずつ英語の課題図書を読んだことが基礎になっていることは確かだ。

高校生のとき、Radio Sweden の英語放送でニュースを聴いていて、最初は general election(総選挙)が聴き取れずにいた。
general と election をそれぞれ単独で聴けば理解できても、general election という塊での意味を知らないので理解できなかったのだ(ノイズも原因の1つかもしれないが)。
受信レポートを書くために何度も録音テープを聴き直して、ようやく general election という塊として認識して、辞書を調べて理解できた。

「総選挙」という日常使う言葉でも、教科書に出てこない知らない言葉は聞いても理解できない。
それでも、このように苦労した言葉は忘れないものだ。

有機化学の研究を始めて毎日英語とドイツ語の論文を読むことになり、辞書に頼ることはあっても内容を正しく把握できたし、修士2年のときに英語論文を教授と分担して半分書けたのも、博士論文を英語で書けたのも、英文解釈の基礎があったからだろう。

旧帝大の学生であっても、英語を正確に読めない人はいる。
ある年の大学院入試の英語では、地球温暖化関係の英語論文から出題され、内容の要約をするものだった。
ところが、問題文もすべて英語で書いてあったためか、要約せよという指示なのに、地球温暖化問題に関する意見を書いた学生がいたという。

また、有名企業の研究所でも、英語論文の内容把握に苦労する研究員がいる。
例えば実験操作で、「試薬を2時間かけて加えた後」と、「試薬を加えてから2時間後」では全く異なる。
誤解は実験失敗につながり、最悪の場合には事故の恐れもある。

「英語教育」の記事なので英語の独習法に関するものだが、基本的にはドイツ語など他の外国語の独学のときにも同じことが言えるのではないかと思う。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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