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オリンピック開会宣言の話題でフランス語の重要性を再認識

これまでも書いたように、私が大学で研究した有機化学の分野では、過去の文献を含めると半分くらいがドイツ語だった。
日々の研究では有機合成や機器分析の専門書が必要になったのだが、一番読みたいものはドイツ語だけだった。

大学院に進んだときに研究室の論文集をもらったので開いてみると、1936年の第1報は、日本化学会の論文誌なのにドイツ語論文であった。

年に1回くらいはフランス語論文を読む必要もあったが、実際に読んだのは実験の部だけなので、フランス語の入門テキストと辞書を使ってなんとか理解できた。

21世紀になると英語論文ばかりで、ドイツ語を読むのは特許だけになったと言ってもよい。
研究分野が異なればフランス語も習得したかもしれないが、現状ではフランス語を学習するという意欲はあまりない。

ただ、東京オリンピック開会宣言に関する記事を読んで、フランス語の重要性を再認識した。
AERAdot の記事のリンクは次の通り。
dot.asahi.com/dot/2021080600079.html

開会宣言の文言は、IOCの公用語であるフランス語で確認すると、JOCの和訳では誤訳であると指摘されている。
英語版を読んだだけでもJOCは誤訳していることは明らかだということで、天皇陛下がさりげなく訂正をしたという話になっている。

翻訳者も含めて様々な意見があるようで、英語版だけでは誤訳したかどうかは決めつけられないという指摘もある。
そのように、作業言語である英語では解釈にあいまいな点が残ることがあるので、フランス語での解釈が優先されるのだ。

自然科学系でも、メートルやキログラムなどを定義している国際単位系の文書は、フランス語版が正式なものだ。
実際には各国語に翻訳して利用しているが、疑問点が生じた場合はフランス語で解釈しなければならない。

私の仕事では発生しないと思われるので、今のところフランス語を勉強しなくても済んでいる。
フランス語の特許翻訳者を探しているという話を聞いたこともあるが、今後の需要はどうなんだろうか。

フランス語よりも、ノルウェー語の勉強を再開するのか、先週購入したニューエクスプレス・アイヌ語を読むのか、ゆっくり考えよう。

テーマ : フランス語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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