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ドイツ語 beziehungsweise (bzw.) または/もしくは/ないし?

翻訳に限らず多義語を使うときには、できるだけ誤解されないようにしたいものだ。

ドイツ語の接続詞で oder と簡単に書けばいいのに beziehungsweise、略して bzw. を使っている場合がある。

トラックバックした記事に示したように、oderbeziehungsweise も複数の意味があるが、beziehungsweise の方が誤解を招きやすいという。

ただ、ドイツ語ネイティブに聞いても、たいていは oder と同じ意味で使うことが多いので、またはと和訳することがほとんどだ。

ところが、独和辞典の語義説明が様々なので、またはとする人もいれば、もしくはとして oder と区別しようとする人もいる。

特許翻訳のチェックでもしくはが出てくると、要素などの説明が入れ子式になっていると思って、対応関係を確認しようとしてしまう。

例えば、「置換基Rは、メチル基もしくはメトキシ基で置換されたフェニル基であり、」と書いてあると、その上位の「または」がどこにあるのか探してしまうのだ。

そして今年のドイツ語和訳チェックでは、bzw. ないしと和訳しているものに出会った。

接続詞ないしには2つの意味がある。
「…から…まで」という範囲を示す意味と、「または」と同じ、どれかが選択可能という意味。

今回チェックした文章では、前後を見れば「または」の意味であることはわかる。
それでも、「または」よりも優先して、わざわざ2つの意味がある「ないし」を選択する理由があるだろうか。

これは、翻訳者が使っている独和辞典で、最初に載っている語義ではないかと思った。
ということで、いくつかの独和辞典での beziehungsweise の語義説明のうち、「または」の意味に相当する箇所を引用しておこう。

1. 小学館独和大辞典第2版 または,もしくは,ないしは
2. アクセス独和辞典第4版 あるいは
3. クラウン独和辞典第5版 ないし,もしくは
4. 郁文堂独和辞典第2版  もしくは,ないしは
5. ドイツ語不変化詞辞典  または,もしくは,ないし


このように記載は多様だ。
どれが間違いだというのではなく、独和辞典で調べた後に国語辞典で確認したり、その分野の用例を調べる必要があるだろう。


ドイツ語の特許を読んでいると、並列の接続詞として beziehungsweise (略 bzw.)がよく出てくる。たいていの場合、oder (または、言い換えると)と同じ意味のこともあるが、文意を正しく把握しないと、誤訳してしまうことになる。特許翻訳のブログで説明している記事があったので、ここに引用しておこう。blog.livedoor.jp/hasenfus/archives/30096790.html今回受注したドイツ語特許和訳でも、二種類の意味の beziehungsweise、...
ドイツ語の並列の接続詞 beziehungsweise (bzw.) の使い方に気をつけよう


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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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