「刊記」について初めて調べた
(最終チェック・修正日 2022年05月23日:アポロン独和辞典第4版の引用を追加)
日本に住んでいて、毎日日本語を使っていても、知らない言葉は多い。
翻訳をしていると、辞書に採録されている訳語にも、初めて出会う日本語がある。
広く使われている英和辞典や独和辞典に載っていても、意味がわからない訳語をそのまま使うことはできない。
そのため国語辞典や漢和辞典を調べることになる。
専門用語の場合は、学会のウェブサイトで用語集を確認したり、化学辞典などの書籍を調べて確認している。
そのような手間がかかる作業なので、翻訳料金を安易に下げてはいけないと思う。
そして今月初めて出会った言葉は、「刊記(かんき)」である。
この用語には、あるドイツ語和訳のレビュー案件で出会った。
あるドイツ企業のウェブサイトの説明で、問い合わせ先は「刊記」を参照するように書いてあった。
この「刊記」を見るのは初めてで、国語辞典と漢和辞典を調べてみた。
三省堂 国語辞典第八版 昔の書物の奥付。
三省堂 新明解現代漢和辞典 昔の版本で、刊行の年月日・刊行者・刊行地などをしるした部分。今の書物の奥付などにあたる。
「古い書物」の話なので、現代のウェブサイトに使うには違和感がある。
ドイツ語原文で対応する名詞を探すと Impressum であった。
この会社かどうかは忘れたが、これまでのウェブサイト翻訳では、この単語を「サイト管理者情報」と和訳していた。
それで念のため、ドイツやスイスの企業のウェブサイトで、日本語ページでは「刊記」と「サイト管理者情報」のどちらが多いか検索してみた。
すると、「刊記」の使用例もあるが、「サイト管理者情報」の方が圧倒的に多かった。
昔の和漢書籍に使う言葉を、現代のウェブサイトにまで使用を拡大するのは、まだ一般化していないと考えた。
ということで、「刊記」を削除して「サイト管理者情報」に修正した。
加えて、納品時に添付するシートに、この修正のことを記載した。
既に納品したので今日は、翻訳者がどうして「刊記」を使ったのか考えてみた。
とりあえず、Impressum について、所有する独和辞典の記載を調べることにした。
すると以下に引用するように、「刊記」を挙げている独和辞典がある。
1) 小学館 独和大辞典第二版 [印](書物の)奥付,刊記(発行者名・印刷者名・発行年月日など.洋書の場合にはふつう扉裏に印刷されている).
2) 三省堂 クラウン独和辞典第5版 〘印〙(本・雑誌の扉裏にある)刊記,奥付.
3) 郁文堂 独和辞典第二版 (書物の)刊記.
4) 三修社 アクセス独和辞典第4版 (書籍・雑誌などの)奥付
5) 三修社 新現代独和辞典 インプリント(ふつう扉に刷った著者名・発行所名・発行年など;日本の奥付に当たる).
6) 大修館書店 マイスター独和辞典 奥付⦅書物の発行年,出版社,印刷所など⦆
7) 同学社 アポロン独和辞典第4版 ⦅書籍⦆刊記(発行者名・印刷所名・発行年など)
私も見ていたはずだが記憶がない。
ウェブサイトは書物ではないので、カッコ書きの本に関する用語というところで、参考にするのをやめたのだろう。
今回の例のように、独和辞典を見ただけでは「刊記」の定義はわからない。
これまでも、「辞書に載っているから使った」という人もいるのだが、翻訳対象に合う言葉かどうかを慎重に考えなければならない。
だから和訳作業では国語辞典も必要なのだと思う。
日本に住んでいて、毎日日本語を使っていても、知らない言葉は多い。
翻訳をしていると、辞書に採録されている訳語にも、初めて出会う日本語がある。
広く使われている英和辞典や独和辞典に載っていても、意味がわからない訳語をそのまま使うことはできない。
そのため国語辞典や漢和辞典を調べることになる。
専門用語の場合は、学会のウェブサイトで用語集を確認したり、化学辞典などの書籍を調べて確認している。
そのような手間がかかる作業なので、翻訳料金を安易に下げてはいけないと思う。
そして今月初めて出会った言葉は、「刊記(かんき)」である。
この用語には、あるドイツ語和訳のレビュー案件で出会った。
あるドイツ企業のウェブサイトの説明で、問い合わせ先は「刊記」を参照するように書いてあった。
この「刊記」を見るのは初めてで、国語辞典と漢和辞典を調べてみた。
三省堂 国語辞典第八版 昔の書物の奥付。
三省堂 新明解現代漢和辞典 昔の版本で、刊行の年月日・刊行者・刊行地などをしるした部分。今の書物の奥付などにあたる。
「古い書物」の話なので、現代のウェブサイトに使うには違和感がある。
ドイツ語原文で対応する名詞を探すと Impressum であった。
この会社かどうかは忘れたが、これまでのウェブサイト翻訳では、この単語を「サイト管理者情報」と和訳していた。
それで念のため、ドイツやスイスの企業のウェブサイトで、日本語ページでは「刊記」と「サイト管理者情報」のどちらが多いか検索してみた。
すると、「刊記」の使用例もあるが、「サイト管理者情報」の方が圧倒的に多かった。
昔の和漢書籍に使う言葉を、現代のウェブサイトにまで使用を拡大するのは、まだ一般化していないと考えた。
ということで、「刊記」を削除して「サイト管理者情報」に修正した。
加えて、納品時に添付するシートに、この修正のことを記載した。
既に納品したので今日は、翻訳者がどうして「刊記」を使ったのか考えてみた。
とりあえず、Impressum について、所有する独和辞典の記載を調べることにした。
すると以下に引用するように、「刊記」を挙げている独和辞典がある。
1) 小学館 独和大辞典第二版 [印](書物の)奥付,刊記(発行者名・印刷者名・発行年月日など.洋書の場合にはふつう扉裏に印刷されている).
2) 三省堂 クラウン独和辞典第5版 〘印〙(本・雑誌の扉裏にある)刊記,奥付.
3) 郁文堂 独和辞典第二版 (書物の)刊記.
4) 三修社 アクセス独和辞典第4版 (書籍・雑誌などの)奥付
5) 三修社 新現代独和辞典 インプリント(ふつう扉に刷った著者名・発行所名・発行年など;日本の奥付に当たる).
6) 大修館書店 マイスター独和辞典 奥付⦅書物の発行年,出版社,印刷所など⦆
7) 同学社 アポロン独和辞典第4版 ⦅書籍⦆刊記(発行者名・印刷所名・発行年など)
私も見ていたはずだが記憶がない。
ウェブサイトは書物ではないので、カッコ書きの本に関する用語というところで、参考にするのをやめたのだろう。
今回の例のように、独和辞典を見ただけでは「刊記」の定義はわからない。
これまでも、「辞書に載っているから使った」という人もいるのだが、翻訳対象に合う言葉かどうかを慎重に考えなければならない。
だから和訳作業では国語辞典も必要なのだと思う。
テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス