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国立天文台で初めてのクラウドファンディング

不定期にチェックしている国立天文台のツイートを見たところ、水沢観測所がブラックホール研究を支援するクラウドファンディングを始めていた。
readyfor.jp/projects/naoj-mizusawa

私は今年から収入が減っているのできついが、できれば期限までに1万円の寄付をしたいと考えている。
現在作業中のドイツ語和訳のレビュー案件は、6月末に翻訳料金が入金予定なので、1万円ならば対応できるだろう。

寄付方法としては他にも、天文学振興財団を通じた指定寄付も可能だ。
この財団を通じて一度、ハワイすばる望遠鏡を指定して1万円の寄付をしたことがある。
www.fpastron.jp/

どちらも寄附金控除の対象になるが、クラウドファンディングの方が手続きがネット上で完結するので楽だろう。
また、グッズがもらえるなどの特典もあるので、クラウドファンディングを選ぶ方が楽しいと思う。

日本は基礎研究費を少しずつ増やしているのだが、まだ全然足りない。
予算がついても、国立天文台の内部でどこに振り分けるかで揉めてしまう。

観測機器の維持費も高額になるので、若手研究員の人件費にはほとんど回せない。
大学院生の奨学金も全員がもらえるわけではないので、クラウドファンディングを利用するのが賢明だろう。

水沢緯度観測所での木村榮によるZ項発見から今年で120年になる。
www.miz.nao.ac.jp/kimura/c/description/article-02

X線天文学やブラックホールの研究も含めて、日本は世界の天文学をリードする発見を重ねてきた。
この伝統を次世代につなぐためにも、「役に立たない」基礎研究であっても、継続的に資金援助をすべきだ。

未知の領域を探索するという冒険心こそが、人間の本質かもしれない。

お金持ちセレブの生活がテレビ番組などで紹介されることがあるが、こういったお金儲けとは無縁の世界に寄付してほしいものだ。




私が博士後期課程に進んだ頃、「アメリカ並みに博士を増やせば日本はよくなる」と言っていた人がいた。その後、博士取得者やポスドクの就職先が足りないという問題が深刻になった。そうするとその人は、「私も3年くらい無職のようなものだった。がんばれ」と言った。私は博士の3年間に奨学金と研究費をもらい、2年間のドイツ留学では年間約450万円支給されて、それ以前と比べれば優遇されていた。そして帰国後にポスドクを2年...
冷遇されるポスドク(神戸新聞NEXT 2022年04月21日)


テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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