「機械翻訳の英語教育への応用」(英語教育2022年10月号)
昨日14日発売の「英語教育」10月号を購入したのは、特集記事を読みたかったからだ。
特に、第2特集の「ジーニアス英和辞典」第6版と、第3特集のうち機械翻訳に関する記事だ。
第3特集のタイトルは、「ICT技術を活かした学習・指導のDX」だ。
今では学校教育でも ICT (Information and Communication Technology、情報通信技術) を活用するようになってきた。
私が学校で英語を勉強していた頃は、辞書も参考書も紙媒体だけで、調べものも時間がかかったが、今は効率化されているようだ。
それで、特集の中で気になったのは、機械翻訳の活用についての記事2本だ。
どちらの記事でも、高精度な機械翻訳 (MT) の出現を肯定的にとらえていて、英語教育に活用することを提案している。
a) 機械翻訳の英語教育への応用 -ライティング練習の支援とMTILT 山田 優・立教大学教授
b) 小・中学生のICT技術活用で気をつけたいこと 成田 潤也・神奈川県厚木市立蔦尾小学校総括教諭
a) では、英文ライティングの支援ツールとして MT を活用する方法を紹介している。
学習者が自分で書いた英語をブラッシュアップする際に、MT が出力した英語を Good Model として利用するという。
精度が低かったときは、MT を Bad Model として利用する、つまり誤訳の修正を通して英語の知識を得ていた。
高精度となった今の MT であれば、自分の英文を推敲するための提案として参考にできる。
このとき、自分では思いつかなかった単語や表現に気づくことになる。
ただし、MT を使って誰でも英文ライティングを独学できるわけではなく、推敲後の英文について指導者など第三者からのフィードバックを受けるようにする必要がある。
また、辞書、インターネット、コーパスツールなど、MT の英語について確認する手段の指導も併せて必要とのことだ。
そうしないと、MT の誤訳に気づかずに、誤った英語を覚えて使ってしまうリスクがあるからだ。
さらに、習熟度が高い学習者向けに、翻訳者養成のために MT を活用する方法も紹介している。
ポストエディットとプリエディットについて、具体的な例文を挙げて説明している。
そして学習者は、翻訳的活動を通して2言語の違いを比較しながら、メタ言語的知識を修得することができるという。
続いて、b) では、公立小学校で機械翻訳を活用している事例が紹介されている。
小学校では外国語学習が必修となり、今後の社会では機械翻訳を実装するシステムを使うようになるだろうから、機械翻訳を排除するのではなく、有効に使う姿勢が求められるという考え方だ。
私が一番興味を持ったのは、機械翻訳されやすい日本語には、「やさしい日本語」との共通点があるという指摘だ。
外国人が日本で暮らすために、理解しやすい「やさしい日本語」の使用が望まれている。
また、機械翻訳を活用すれば、教室内の日本語を母語としない外国人の子どもたちと、相手の母語でコミュニケーションを図ることができるという可能性も生まれる。
そのようにして機械翻訳が、多言語・多文化共生社会をサポートするインフラになるのではないか、とも指摘している。
ということで、これから機械翻訳を取り入れた英語学習を経験した子どもたちが就職する10年後には、自治体などの英語版ウェブサイトから、意味不明な誤訳が消えることになるのかもしれない。
特に、第2特集の「ジーニアス英和辞典」第6版と、第3特集のうち機械翻訳に関する記事だ。
第3特集のタイトルは、「ICT技術を活かした学習・指導のDX」だ。
今では学校教育でも ICT (Information and Communication Technology、情報通信技術) を活用するようになってきた。
私が学校で英語を勉強していた頃は、辞書も参考書も紙媒体だけで、調べものも時間がかかったが、今は効率化されているようだ。
それで、特集の中で気になったのは、機械翻訳の活用についての記事2本だ。
どちらの記事でも、高精度な機械翻訳 (MT) の出現を肯定的にとらえていて、英語教育に活用することを提案している。
a) 機械翻訳の英語教育への応用 -ライティング練習の支援とMTILT 山田 優・立教大学教授
b) 小・中学生のICT技術活用で気をつけたいこと 成田 潤也・神奈川県厚木市立蔦尾小学校総括教諭
a) では、英文ライティングの支援ツールとして MT を活用する方法を紹介している。
学習者が自分で書いた英語をブラッシュアップする際に、MT が出力した英語を Good Model として利用するという。
精度が低かったときは、MT を Bad Model として利用する、つまり誤訳の修正を通して英語の知識を得ていた。
高精度となった今の MT であれば、自分の英文を推敲するための提案として参考にできる。
このとき、自分では思いつかなかった単語や表現に気づくことになる。
ただし、MT を使って誰でも英文ライティングを独学できるわけではなく、推敲後の英文について指導者など第三者からのフィードバックを受けるようにする必要がある。
また、辞書、インターネット、コーパスツールなど、MT の英語について確認する手段の指導も併せて必要とのことだ。
そうしないと、MT の誤訳に気づかずに、誤った英語を覚えて使ってしまうリスクがあるからだ。
さらに、習熟度が高い学習者向けに、翻訳者養成のために MT を活用する方法も紹介している。
ポストエディットとプリエディットについて、具体的な例文を挙げて説明している。
そして学習者は、翻訳的活動を通して2言語の違いを比較しながら、メタ言語的知識を修得することができるという。
続いて、b) では、公立小学校で機械翻訳を活用している事例が紹介されている。
小学校では外国語学習が必修となり、今後の社会では機械翻訳を実装するシステムを使うようになるだろうから、機械翻訳を排除するのではなく、有効に使う姿勢が求められるという考え方だ。
私が一番興味を持ったのは、機械翻訳されやすい日本語には、「やさしい日本語」との共通点があるという指摘だ。
外国人が日本で暮らすために、理解しやすい「やさしい日本語」の使用が望まれている。
また、機械翻訳を活用すれば、教室内の日本語を母語としない外国人の子どもたちと、相手の母語でコミュニケーションを図ることができるという可能性も生まれる。
そのようにして機械翻訳が、多言語・多文化共生社会をサポートするインフラになるのではないか、とも指摘している。
ということで、これから機械翻訳を取り入れた英語学習を経験した子どもたちが就職する10年後には、自治体などの英語版ウェブサイトから、意味不明な誤訳が消えることになるのかもしれない。