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「数学研究とフランス語」(科学 2023年2月号)

岩波書店の雑誌「科学」は、読みたい記事が掲載されている号だけ注文している。
2023年2月号の特集は「電池の科学」だ。
固体電池など、特許翻訳で必要な知識が得られると考えて購入した。

特集以外で気になったのは、「数学者の思案9 数学研究とフランス語」(河東泰之・東京大学大学院)だ。

数学では今でもフランス語で論文を書く人が多いという。
30年くらい前の文献では、もっとフランス語のものが多いので、フランス語が読めないと不便だとのこと。
それで、ドイツ語の論文を読んだのは1回だけだという。

私が専門の化学では、たまたま研究していた分野でドイツ人が多く、1990年代でもドイツ語文献が3割強あった。
逆に私の経験では、フランス語文献を読んだのは、原料合成の参考にするための2回だけ。
今はほとんど英語のみで論文が出るので、最新の研究に限定すれば、ドイツ語を知らなくてもなんとかなりそうだ。

そのような英語中心に変化したためなのか、東京大学教養学部のカリキュラム改革では理系教員の多くが、英語だけで十分だから第2外国語を必修から外す、という主張をしたそうだ。

しかし、数学ではフランス語が重要なので、数学の教員が反対して、第2外国語の必修が維持されたという。

私が旧帝大理学部に入学したとき、英語に加えて第2外国語が必修で、数学と物理ではフランス語選択者が多かった。
私は化学だったので、高校生のときからドイツ語を選択するつもりでいた。

情報収集能力を高めるためにも、若手研究者も英語以外の外国語を身につけてほしいものだ。


テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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