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ひらがなが混じった「レべル」に遭遇した

私が担当する英日または独日の翻訳レビュー作業では、たいていは CAT ツールを使う。
それ以外にも、エクスポートしたワードファイルや PDF を使って、修正提案をコメント機能で記載したり、直接変更履歴を付けることもある。

チェック項目には、形が似ている文字の確認もある。
例えば、カタカナのと漢数字のなど。

漢数字を使う化合物名の酸化炭素」が、カタカナを使って酸化炭素」という誤記になっていても、大部分の人は「にさんかたんそ」と読むだろう。

それでも、うっかり見逃さないように、念のために検索してみたり、ワードならばエディター機能を使うこともある。
ワードで作業をしていると、自動でエラーを検出してくれるので楽になった。
そのおかげで、今年作業したレビュー案件でも誤記を見逃さなかった。

それは生まれて初めて出会った、ひらがなが混じっただ。
混じっているひらがなとは、当然ながら真ん中のである。

下に示すように、ワードでは、左側の全部カタカナのレべルとは異なり、右側のひらがなが混じったでは、ひらがなのの下に赤色の波線が表示されるので、これでエラーに気付く。

レベル

フォントの形状は、山の角度が少々異なるようだが、人間の目では区別が困難だ。
どちらで書いてあっても誤読しないのでかまわないが、誤字なのだから、正しい表記にすべきである。

それで不思議に思ったのは、どのように入力すれば「べ」だけひらがなに変換されるのか、ということだ。

かな入力の「れべる」でもローマ字入力の「reberu」でも、スペースキーを押して変換すると、第1候補に全部カタカナの「レべル」が表示される。
これを選択するので、ひらがなが混じることはないだろう。

もしかすると、レぼると誤入力した後に、を一文字ずつ打ち直したときに、をひらがなのにしてしまったのかもしれない。

誤記は1か所のみで、他は全部カタカナの「レべル」だったので、このタイプミスの修正ミスという推測が一番起こりうると思われる。

翻訳者は納品前に推敲しているはずだが、ワードが検出したエラーの表示を見落としたのだろう。
こういった細かいこともしっかり対応できる人が生き残るのかもしれない。

テーマ : Office オフィス
ジャンル : コンピュータ

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No title

コメントありがとうございます。
今は便利なツールがあるので、確認作業は楽になったと思います。
それでも、タイプミスや変換ミスはなくならないので、チェッカーは疲れる仕事ですね。

No title

初めまして。
 私にも似たような経験があるなと思って最近の例を探してみたところ、その事例では、「ぺ」(ひらがな:shift-JIS 0x82d8)と「ペ」(カタカナ:shift-JIS 0x8379)の違いでした。
 これは自分が書いた文での混在なのですが、使用している校正支援ツール(Just Right! Pro)が「誤字脱字」の可能性を指摘してくれてもまだしばらくは、どこがどう間違っているのかわかりませんでした。
 さらにこの間違いを私自身は過去に2回起こしていました。1回目は「ペア」、2回目は「ヘペウイルス」という用語でした。
 ちなみに、MarburgChemieさんのこのブログを初めて知ったのは、昨年末、"poly(butyric acid), poly(valeric acid)" という表現を原文に見つけて、「とりあえず機械的に日本語に置き換えることはできるけど、化学的には一体何のことだろう」と疑問に思って、ウェブ検索したときに、http://marburgaromaticschem.blog3.fc2.com/blog-entry-2834.html がヒットしたからでした。
 以来、どの記事も大変興味深く読ませていただいています。
プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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