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翻訳CATツールのQAツールでは変換ミスを検知するAI支援が必要ではないか

(最終チェック・修正日 2023年10月06日)

翻訳で使う CATツールには、QAツールの機能が付属していることもある。
Trados では、クライアントから QAツールの設定ファイルが提供されることもある。
また、XBench などの QA用のソフトを使うように指定されることもある。

これに加えて、日本語がターゲットの場合、タイプミスや漢字変換ミスを検知する QAツールの設定が必要ではないか。
このために AI支援のツールが必要ではないかと感じている。
既に存在しているのかもしれないので、導入可能かどうか、これから調べてみよう。

というのも、チェッカーの仕事を受注していて、タイプミスと漢字変換ミスの修正が多いと嫌になるからだ。

本来は、専門用語のチェックであったり、内容を的確に表現できているかであったり、より高度なレベルの仕事であってほしいと願っている。
しかし、現実では、作業時間の足りない翻訳者が見落としたミスの手直しが主な作業になってしまうこともある。

翻訳者の約10%から20%程度の料金のチェッカーには、単純なミスの手直しをさせないように、翻訳者の推敲の段階で、タイプミスや漢字変換ミスを検知する QAチェッカーが必要ではないだろうか。

例えば、「一酸化炭素」胃酸化炭素とタイプミスした場合、大規模コーパスで学習済みの AI チェッカーが、「胃酸化炭素という名称の物質は存在しないので、もしかして一酸化炭素ではないですか?とコメントを付けるような機能だ。

AI チェッカーの指摘が絶対正しいとは言えないが、確率的にこの言葉の組み合わせの可能性が高いのかどうかは判定可能ではないだろうか。

でも、QA チェッカーを使わずに納品する翻訳者もいるはずだ。

それならば、日本語入力の段階でも監視していて、胃酸化炭素という誤記のまま確定してしまったときに、もしかして一酸化炭素ではないですか?というメッセージが表示されれば、無視して納品ということは減るのではないか。

以下に最近経験した変換ミスの例を示して、チェッカーが疲れる仕事だということも理解してほしい。
4) と 5) は、日本語入力システムの問題かもしれない。

           
 1) 国別使用     国別仕様
 2) 深依存      負荷依存
 3) 結露現金     結露厳禁
 4) す伊平方向    水平方向
 5) と歩路地     トポロジ
 6) 両親の仮借    良心の呵責
 7) ブログラム    プログラム
 8) X腺        X線
 9) クライド     クラウド


今後も不思議な変換ミスに出くわしたら追記する予定。
【上記リストの 6) から追記】

テーマ : AI(人工知能)
ジャンル : コンピュータ

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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