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温度の単位の誤記「C°」を修正した

機械翻訳は誤訳するから使えないという人もいるが、人間翻訳者が誤訳・誤記を残してしまうこともある。
その誤訳・誤記が CATツールの翻訳メモリや用語集に登録されてしまうと、面倒なことになる。

その後に翻訳を受注した翻訳者が、間違いに気づいて修正して納品しても、QAツールでは、〇〇の翻訳が統一されていないだとか、翻訳メモリに異なる翻訳が登録されているなどのエラーが出てしまう。

False Positive ということで Ignore にチェックして納品しても、その説明を求められて時間をとられることも多く、私も毎月のように経験している。

最近の修正例をまた1つメモしておこう。
これはまだ、修正の説明を求められていない。

ある装置の取扱説明書で、技術的な仕様の表に温度の項目があった。
セルシウス度なので、ドイツ語原文での単位は、当然ながらである。
しかし、翻訳メモリの和訳では、C°になっていて、翻訳者もそのまま使っていた。

マッチ率が 100% と表示されていても、単位表記の間違いなので、に修正して納品した。

このチェック案件とは、クライアントのレビューが終わった後の原稿を、印刷前に確認するものだ。
C°という見たこともない表記が世に出る前に、修正できてよかった。
私以外のチェッカーでも気付いただろうが、化学者として貢献できた小さな事例として覚えておきたい。

それにしても、原文のを和訳でC°に入れ替えたのはなぜだろう。
単なるタイプミスなのか。
「セルシウス度」の読みの順にタイプしてしまったのか。
この和訳を登録した本人ではないので、謎のままだろう。

私も間違えることはあるので、見直し時に気付いて訂正する力を付けようと思う。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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