fc2ブログ

ロックされたセグメントに誤訳があったので

先週から作業しているドイツ語和訳案件では MemoQ を使っている。
既存の和訳が入っているセグメントは、翻訳メモリと用語集と合わせて、新規翻訳セグメントの参考にしている。

墓参りに行くので納期を延長してもらった。
それでもできるだけ移動前に進めておこうと思い、昨日までに新規部分は全部埋めた。

あとは QA を行って、必要な修正や見直しをすれば納品できそうだが、少々困ったことになっている。
それは、ロックされたセグメントに入っている既存の和訳の一部に誤訳があるからだ。

この誤訳は、翻訳メモリにも登録されているので、私が担当した新規和訳が正しくても、和訳が統一されていないというエラーになるだろう。
そして、後から問い合わせが来て面倒なことになるだろう。

ということで、ある誤訳例の部分のスクリーンショットをコーディネーターに送り、クライアントに問い合わせてもらうことにした。
納期までに返事が来なければ、納品後に修正の対応をしようと思う。

それで、指摘したのはどういった誤訳なのかというと、対義語のペアになる2つの動詞が、同じ和訳になっている誤訳だ。
そのままでは紹介できないので、似た動詞に変えて示しておこう。

正しい和訳の動詞 ausgeben 出力する
誤訳になった動詞 eingeben [誤] 出力する ⇒ [正] 入力する

ドイツ語造語法を知っていれば、対称的な意味を付与する接頭辞のペア ausein は、外へ中へ の対応であることを理解しているはずだ。
だから、eingeben のときに「出力する」とは考えないはずだ。

もしかすると、MemoQ の自動入力機能が誤訳を生んだのかもしれない。
マッチ率が高いと、類似の和訳がそのまま自動入力されてしまうことがあるから。

つまり、ausgeben を使ったセグメントが先に和訳されて翻訳メモリに登録されると、動詞のみ eingeben になった別の原文でも、登録済みの ausgeben での和訳が入力されてしまうのだ。

そして気付かずにそのまま確定してしまうと、eingeben なのに ausgeben の意味で誤訳した和訳が登録されてしまう。
この誤訳に誰も気付かずに残り続けると、その後で受注した翻訳者が困ってしまうことになる。
今回はどうなるだろうか


翻訳の仕事では、CATツールの使用を指定されることがある。特許や取扱説明書などで類似の表現が多い場合には、過去の翻訳が参考になるので、CATツールの翻訳メモリが役立つ。専門用語に加えて、クライアントが好む表現もあるので、用語集に加えて翻訳メモリがあると便利なこともある。しかし、月に最低でも1回は、誤訳が登録されている翻訳メモリに出会う。勘違いによる誤訳もあれば、単なるタイプミスや漢字変換ミスもある。翻訳...
「X腺」という誤記が登録されている翻訳メモリは嫌だ


テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

FC2カウンター
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR