ドイツ語の動詞 nachweisen が自動詞かもしれないと悩む
今回の記事は、ドイツ語専門家には単純なことだろうが、化学が専門で、ドイツ語が従である私は、こんなことで悩んでいるという事例である。
こんなことでは翻訳者としてプロになれないだろうが、勉強のメモということで書いておこう。
マックスプランク研究所などの研究グループが、星間分子2種類を新たに検出したが、そのプレスリリースを読んで、ドイツ語の動詞 nachweisen が他動詞なのか自動詞なのか、疑問を持った。
プレスリリースは次の通りで、その一番最初の文に nachweisen が出てくる。
http://www.mpg.de/bilderBerichteDokumente/dokumentation/pressemitteilungen/2009/pressemitteilung200904201/index.html
Einem internationalen Team3 von Wissenschaftlern vom Max-Planck-Institut für Radioastronomie in Bonn, der Cornell-Universität (Ithaka/USA) und der Universität Köln haben zum ersten Mal zwei neue Moleküle im interstellaren Raum nachgewiesen, Äthylformiat und n-Propylzyanid.
nachweisen は通常は他動詞で、4格目的語や dass 副文などをとり、今回の記事ならば、「研究チームは2種類の分子を検出した」 という構文になると思った。
主語は緑で示した zwei neue Moleküle で、nachweisen は完了形 nachgewiesen haben になっている。
目的語は青で示した Einem internationalen Team .. だが、これは3格だから、nachweisen は自動詞ではないか?
nachweisen は古くは自動詞でもあったようだが、jm. nachweisen は 「…を指さす」 で意味が違う。
それに DUDEN では他動詞の語義解説のみ掲載されており、現在、自動詞として使うことはないはず。
自動詞 gelingen を使おうとして nachweisen に書き間違えたという可能性は、ほとんどないだろう。
そこで文末で、"(dass diese Moleküle) Äthylformiat und n-Propylzyanid (sind)" と補足して考え、「2種類の新規分子 は、ギ酸エチルと 1-シアノプロパンであることを研究チームに示した。」、または、「研究チームは、ギ酸エチルと 1-シアノプロパンである2種類の新規分子を検出した。」 と訳した。
(化合物名としてシアン化n-プロピルではなく、命名法に従って 1-シアノプロパンとした。)
追記(2010年04月03日):
Äthylformiat und n-Propylzyanid を4格目的語と考えるとよいだろう。
ドイツ語では、新しい情報、より詳細な情報が後ろに来るようで、「新規分子」の具体的な内容、つまり化合物名がカンマの後に来て、一種の強調になっていると考えられる。
(最終チェック・修正日 2010年04月03日)
http://www.mpg.de/bilderBerichteDokumente/dokumentation/pressemitteilungen/2009/pressemitteilung200904201/index.html
Einem internationalen Team3 von Wissenschaftlern vom Max-Planck-Institut für Radioastronomie in Bonn, der Cornell-Universität (Ithaka/USA) und der Universität Köln haben zum ersten Mal zwei neue Moleküle im interstellaren Raum nachgewiesen, Äthylformiat und n-Propylzyanid.
nachweisen は通常は他動詞で、4格目的語や dass 副文などをとり、今回の記事ならば、「研究チームは2種類の分子を検出した」 という構文になると思った。
主語は緑で示した zwei neue Moleküle で、nachweisen は完了形 nachgewiesen haben になっている。
目的語は青で示した Einem internationalen Team .. だが、これは3格だから、nachweisen は自動詞ではないか?
nachweisen は古くは自動詞でもあったようだが、jm. nachweisen は 「…を指さす」 で意味が違う。
それに DUDEN では他動詞の語義解説のみ掲載されており、現在、自動詞として使うことはないはず。
自動詞 gelingen を使おうとして nachweisen に書き間違えたという可能性は、ほとんどないだろう。
そこで文末で、"(dass diese Moleküle) Äthylformiat und n-Propylzyanid (sind)" と補足して考え、「2種類の新規分子 は、ギ酸エチルと 1-シアノプロパンであることを研究チームに示した。」、または、「研究チームは、ギ酸エチルと 1-シアノプロパンである2種類の新規分子を検出した。」 と訳した。
(化合物名としてシアン化n-プロピルではなく、命名法に従って 1-シアノプロパンとした。)
追記(2010年04月03日):
Äthylformiat und n-Propylzyanid を4格目的語と考えるとよいだろう。
ドイツ語では、新しい情報、より詳細な情報が後ろに来るようで、「新規分子」の具体的な内容、つまり化合物名がカンマの後に来て、一種の強調になっていると考えられる。
(最終チェック・修正日 2010年04月03日)