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「古典の翻訳がさっぱり分からなかった人へ・10回連載」(日経ビジネス・山岡洋一氏コラム)

日経ビジネスオンラインに、昨年12月から10回に渡って、翻訳家の山岡洋一氏のコラムが掲載された。
タイトルは、「古典の翻訳がさっぱり分からなかった人へ」 である。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091125/210564/


【経済、経営分野など翻訳の第一人者が、翻訳を通して日本の近代化の過程を語る10回シリーズのコラムです。
『国富論』、「アメリカ独立宣言」、『源氏物語』、『自由論』など、古典の翻訳を例にとって、なぜそのように訳されたのかをはじめ、明治の翻訳が日本の近代化に果たした役割の大きさについて述べていきます。
さらに、エンターテインメント小説分野の考察では、新たな翻訳の可能性についても言及します。】


第1回  古典の翻訳を読んで理解できなかったとすれば…
第2回  翻訳だけでわかるようには訳されていない
第3回  無理を承知の訳し方
第4回  幕末明治の翻訳は意外に読みやすい
第5回  翻訳調の成立
第6回  日本の近代化と翻訳
第7回  原文に忠実な翻訳とは
第8回  翻訳調はなぜ衰退したのか
第9回  新しい翻訳の可能性
第10回 学ぶための手段としての翻訳



古典の翻訳と言うと、欧米の学問・書籍を紹介するための翻訳を指す。
哲学や法律関係では、権威付けのために、わざと理解しにくい日本語にしたとまで言われることもある。
なぜなら、「難解である」 というのが、本に対する褒め言葉でもあったからだ。

学校英語で習ったように、関係節がある場合、文の後ろから訳していく方法がある。
漢文訓読にも似たこの方法では、原文に忠実に訳しているようだが、内容の理解にはつながらない。
これは、原文の構文を示しているだけで、原文の意味を伝えるものではない。
また、文脈を考えずに訳語を統一して、余計わかりにくくなることもある。

ただし最近では、このような翻訳調から脱却する試みも行われている。
哲学や法律といった論理性が重視される場合でも、より自然な日本語訳が出版され始めている。
アカデミズムではまだ翻訳調が主流だが、翻訳調から脱却した日本語でも十分論理的な文章が書ける。

実例を示しながら解説しているので、学校英語・受験英語での和訳と、翻訳の違いも理解できるだろう。
私も副業ではあるが翻訳でお金をもらっているので、この連載を参考にしたい。

特許文書や契約書の翻訳では、クライアントが特に官公庁関係の場合は、自由な訳は望まれず、「原文に忠実に」 と指示されることがあり、自分で読み返しても理解できないこともあった。

まあ、元々わかりにくい文章を書く官僚たちにとっては、翻訳調の方が馴染みがあるのかもしれない。

しかし、企業の製品パンフレットなどでは顧客が読むので、「自然な日本語」 を求められることが多い。
これもクライアントの要望なので、翻訳者はそれを優先して対応しなければならない。

私も推敲時に、ドイツ語で読むと理解できるが、和訳を読んでも理解しにくいことを経験している。
やはり翻訳では、著者が日本語で書いたらどうなるか、を考えるべきなのだろう。

これからも、このブログで海外報道を紹介しながら、翻訳の勉強を続けていこう。

テーマ : 翻訳
ジャンル : ビジネス

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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