「metabolic syndrome」を「代謝症候群」とするかどうかで迷う
英語特許の和訳をしているが、今回も専門用語の検討で悩むこととなった。
それは、「metabolic syndrome(メタボリック・シンドローム、代謝症候群)」 である。
この特許は医薬品の合成であり、背景の説明のところで "metabolic syndrome" が出てくる。
学術用語ということで、ここでは漢字表記の 「代謝症候群」 を第一候補とした。
カタカナ表記では、その意味するところが表現でき ないから、漢字の方がふさわしいと思った。
今では、カタカナ表記でも認知されるようになり、広辞苑第六版でも採録されるという。
「メ タボリック・シンドローム」 または 「メタボリック症候群」 でも良いのかもしれない。
ただ、外国語をカタカナ表記したとき、元の意味からずれてしまうことが多いので危険だ。
英会話教室でも話題になるが、例えば 「ダイエット」 が一番わかりやすいだろう。
日本語には "diet" の意味のうち、ほんの一部だけが取り入れられた。
メタボリック・シンドロームも、元々の代謝系の異常については忘れられて、内臓脂肪が多い肥満の意味に変化し、更に、 おなかが出ている中年を冷やかす用語になってしまった。
「腹回り○センチメートル」 という判定基準が一人歩きしたのも、 誤解を流布することになった。
最近は 「メタボ」 と略されて、太った人を 「メタボ君」 や 「メタボ課長」 などと呼んだりする。
「肥 満体」 や 「デブ」 と言うと喧嘩になるので、代わりのカワイイ表現? を作ったようだ。
まあこれは特許だから、カタカナ表記をしても、意味は一義的に決まるはずで、余計な心配か。
別の訳語として、「内臓脂肪症候群」 というものも使われている。
"metabolic" を直訳せず、「内臓脂肪型肥満が原因の病気」 という意味を込めている。
「代謝」 の方が範囲が広く、「内臓脂肪」 と病気の原因を限定した方が、原語の意味内容を自国語できちんと表現するという目的には合致するだろう。
いろいろ考えたが、これまで使われている 「代謝症候群」 として、チェッカーの判断に任せることにした。
(最終チェック・修正日 2007年10月28日)
学術用語ということで、ここでは漢字表記の 「代謝症候群」 を第一候補とした。
カタカナ表記では、その意味するところが表現でき ないから、漢字の方がふさわしいと思った。
今では、カタカナ表記でも認知されるようになり、広辞苑第六版でも採録されるという。
「メ タボリック・シンドローム」 または 「メタボリック症候群」 でも良いのかもしれない。
ただ、外国語をカタカナ表記したとき、元の意味からずれてしまうことが多いので危険だ。
英会話教室でも話題になるが、例えば 「ダイエット」 が一番わかりやすいだろう。
日本語には "diet" の意味のうち、ほんの一部だけが取り入れられた。
メタボリック・シンドロームも、元々の代謝系の異常については忘れられて、内臓脂肪が多い肥満の意味に変化し、更に、 おなかが出ている中年を冷やかす用語になってしまった。
「腹回り○センチメートル」 という判定基準が一人歩きしたのも、 誤解を流布することになった。
最近は 「メタボ」 と略されて、太った人を 「メタボ君」 や 「メタボ課長」 などと呼んだりする。
「肥 満体」 や 「デブ」 と言うと喧嘩になるので、代わりのカワイイ表現? を作ったようだ。
まあこれは特許だから、カタカナ表記をしても、意味は一義的に決まるはずで、余計な心配か。
別の訳語として、「内臓脂肪症候群」 というものも使われている。
"metabolic" を直訳せず、「内臓脂肪型肥満が原因の病気」 という意味を込めている。
「代謝」 の方が範囲が広く、「内臓脂肪」 と病気の原因を限定した方が、原語の意味内容を自国語できちんと表現するという目的には合致するだろう。
いろいろ考えたが、これまで使われている 「代謝症候群」 として、チェッカーの判断に任せることにした。
(最終チェック・修正日 2007年10月28日)