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翻訳ソフト「同時通訳 日本語⇔ドイツ語」を購入

私は副業で翻訳をしており、これは文化的背景を知っている人間でなければできないと信じている。
この 「知っている」 というのは、「知識ではなく体験として知っている」 という意味である。

辞書や対訳データベースを基にした検索作業は、コンピュータにやらせて効率化し、構文解釈や翻訳文を作るところにこそ、翻訳者は集中すべきだろう。

それでも機械翻訳というものが開発されており、最近は低価格のソフトも売られている。
今回は試しに、「同時通訳 日本語⇔ドイツ語」 を購入して、使ってみることにした。

ドイツ語から日本語に翻訳する場合、一度英語訳を作り、その英語訳から日本語訳となる。

このソフトを使う人は、ドイツ語を知らないだろうから、日本語訳が正しいのかどうかも判断できない。
もし英語がわかるのならば、仲介する英語訳を見て、日本語訳の正確さを推測できるだろう。

と いうことで、私のブログにあるドイツ語例文を翻訳してみた。

原文 「Lehrer traten aus Protest in einen Hungerstreik.」
私  「教師たちは抗議のためハンガーストライキに入った。」
ソフト「先生は、抗議からハンガーストライキに参加しました。」

これは短くて単純な構造の文だからか、私の訳例と類似した結果となった。


原文  「Nicht das Koffein macht den Kaffee bitter, sondern erst beim Rösten der Bohnen und beim Aufbrühen entstehende Substanzen.」
私  「コーヒーを苦くするのはカフェインではなく、豆の焙煎およびドリップで初めて生じる物質である。」
ソフト 「豆のこんがりと焼ける時だけ、そして、起ころうとしているとき、カフェインはひどく新生の物質にコーヒーを作りません。」

"nicht ~, sondern …" という、基本的な構文が正しく翻訳されていないのは残念だ。
"bitter" が英語訳で "bitterly" になっており、ここでも意味がずれたようだ。

では化学論文の実験の部はどうだろうか。

原文 「Die Zugabegesschwindigkeit wird so eingestellt, daß das Äthylbromid sofort abdestilliert.」
私  「添加速度は、エチルブロミドがすぐに溜出するように調整する。」
ソフト 「Zugabegesschwindigkeitは、いくらかすぐabdestilliert に臭化エチルのそれに置かれます。」

辞書にない単語では、英語でも日本語でも、原文のままになっている。
それに "so ~, daß …" の部分では、これも基本的な構文を正しく翻訳できていない。


次に、ウェブでの科学ニュースはどうだろうか。

原 文 「Mira rast zudem mit 470 000 Kilometern pro Stunde durchs All.」
私   「加えてミラは、宇宙空間を時速47万kmで疾走している。」
ソフト 「ミラは、毎時470 000キロメートルで、宇宙を通ってさらに競争します。」

この短い文でも最適な訳語が選択されないのは、辞書の登録が足りないからなのか。


すると長い文では、もうどうにもならないのか?

原文 「Dass dieses in seiner Größe einzigartige Phänomen bis heute unentdeckt blieb, grenzt geradezu an ein Wunder und macht dem Namen des Sterns alle Ehre.」
私  「その規模において比類なき本現象が、これまで未発見のままであったことは、まさに奇跡に値し、その星の名に恥じないものである。」
ソフト 「その今日が実質的に奇跡に接して、星の名前に全ての名誉を作るまで、サイズが気付かれずにままだったhis/itsにおいて類がないこの現象。」

こ うなると、英語訳で理解する方が、まだましなような気もする。
なんだか以前の勤務先の上司のように、「単語の意味をつなげればわかる」  というのと似ている。


このソフトを使ってドイツ語文献を読むには、ユーザー辞書や別訳例の登録が、ある程度は必要だ。
単語の別候補を表示したり、訳文の修正機能を使って、正しい訳に近づける能力も必要だ。

ただ、ドイツ語HPを読むときには、このソフトでざっと翻訳させておき、内容に興味があれば、改めて自分の翻訳能力で読むことにでもすればいいかも。

このソフトに訳例を登録するより、TRADOSの翻訳メモリを作ることにしよう。

(最終チェック・修正日 2007年09月16日)

テーマ : 翻訳勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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