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「英辞郎」最新版に私の申告が掲載された

ロイター配信記事中のクジラの和名について調べていて、英語名 "bowhead whale" に対応する和名に、二通りあることに気づいた。
正しくは 「ホッキョククジラ」 であるが、「セミクジラ」 とする英和辞典も複数見られた。
ロイタージャパンの翻訳者は、「英辞郎 on the Web」 を利用したそうだ。

私もよく利用するこのオンライン辞書の間違いは困るので、編纂団体に指摘のメールを出した。

この記事の投稿時点では、オンライン公開版はまだ訂正されていないが、
「英辞郎」 最新版の Ver.106 で採用された。
もし最新版を入手している人がいたら、"bowhead" で検索してみてほしい。

オンライン版は Ver.104 と少し古いが、じきに訂正され、和名の間違いによる混乱は減ると期待される。

(追記:7月17日に最新 版に更新された。これで誤訳は減ると期待される。
「2007年7月17日、『英辞郎 on the Web』はVer.106にアップデートされました。」
bowhead 【名】 ホッキョククジラ、グリーンランドクジラ〔一般名〕
bowhead whale ホッキョククジラ、グリーンランドクジラ〔一般名〕)


鳥飼玖美子著、「歴史を変えた誤訳」(新潮文 庫)にある事例とはレベルが違うが、クジラの和名の間違いによって、特定の領域ではあるが、騒ぎが大きくなっているのは確かだ。

「絶滅危惧種のセミクジラの捕獲をアメリカは先住民には認めるのに、日本の捕鯨再開に反対している」 と、元の英語記事を確認することもなく、誤訳の日本語二次情報を聞いて、過剰に反応している。

すべての人が原語で記事を確認できるわけでもないので、翻訳者の責任が重いことを痛感した。

今回は使った辞書が間違っていて、意図的な誤訳ではなかったわけだが、日本鯨類研究所などの専門家が、誤訳の指摘をしていないのは、無責任のような気もする。
和名の問い合わせがあれば回答するのだろうが、間違いを放置している人たちの指導もしてほしいものだ。

それに、「アメリカがセミクジラを獲っている」 と、間違った情報を流している人たちに対しては、正しい知識を普及するという目的から、水産庁や天下り団体の日本鯨類研究所は、注意喚起をしてほしい。


また 英辞郎には、"tobacco budworm = ニセアメリカタバコガ" も登録してもらった。
これは農林水産省の検疫の書類と、農業関係の学会論文誌から見つけたものだ。

これからも翻訳作業などで、誤記やよりふさわしい訳語に気づいたら、申告しようと思う。



テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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