独和大辞典で名詞の性が間違い?:中性名詞「Phosphat」が女性名詞になっている
(最終チェック・修正日 2020年02月08日)
明日が納期の、ドイツ語特許請求項の翻訳が終わった。
これで2万円弱の料金となるが、単価を下げて受注したので、5千円くらい安くなっている。
もう一つのドイツ語論文翻訳の推敲が済んでいないが、名詞の性が気になったので記事にしておこう。
「リン酸塩」 を意味する "Phosphat" の性が、特許請求項では 「中性」 で使われていた。
しかし、小学館の独和大辞典第二版2刷では、「女性」 と異なっていた。
(追記 2020年02月08日: その後、8刷を購入したところ、中性名詞に修正されていた。)
(追記:職場に置いてある独和大辞典の初版では、 「中性」 であった。
つまり第二版に改訂するときに、転記ミスをしたのか、女性に勘違いしたのか。
これは出版元の小学館に問い合わせてみよう。)
判断に困ったので、ここは権威ある辞書の DUDEN を見ることにした。
以下の語義説明にあるように、「中性」 で正しいようだ。
【Phosphat, das; -[e]s, -e:
Salz der Phosphorsäure, dessen verschiedene Arten zur Herstellung von Düngemitteln u. Waschmitteln sowie in der Lebensmittelindustrie verwendet werden.】
こういった物質名は、ほとんどが中性名詞なのに、女性名詞としての使用例もあるのだろうか。
Google 検索でも、女性名詞としての使用例は、今のところヒットしていない。
ドイツ語の名詞では、文法上の性を2つ持つ名詞がある。
これは、「ゆれる文法上の性」 とも呼ばれる。
例えば 「卵の黄身」 を意味する "Dotter" は、「男性または中性」 である。
DUDEN の説明でも、次のように両方の性があることが示してある。
【Dotter, der, auch: das; -s, -:】
この表記法から推測する と、"Phosphat" の女性名詞としての可能性は、なくなったと言ってもよい。
信頼できる辞書でも、記載を鵜呑みにしてはいけないという事例だ。
追記(2007年08月16日):
発行元の小学館にメールを送ったが、エラーばかりだった。
そこで直接電話をして、 この誤植について説明した。
担当者も DUDEN の辞書で確認し、次の刷りでは訂正できるだろうと言っている。
追記(2020年02月08日):
8刷を購入したところ、中性名詞に訂正されていた。
つまり第二版に改訂するときに、転記ミスをしたのか、女性に勘違いしたのか。
これは出版元の小学館に問い合わせてみよう。)
判断に困ったので、ここは権威ある辞書の DUDEN を見ることにした。
以下の語義説明にあるように、「中性」 で正しいようだ。
【Phosphat, das; -[e]s, -e:
Salz der Phosphorsäure, dessen verschiedene Arten zur Herstellung von Düngemitteln u. Waschmitteln sowie in der Lebensmittelindustrie verwendet werden.】
こういった物質名は、ほとんどが中性名詞なのに、女性名詞としての使用例もあるのだろうか。
Google 検索でも、女性名詞としての使用例は、今のところヒットしていない。
ドイツ語の名詞では、文法上の性を2つ持つ名詞がある。
これは、「ゆれる文法上の性」 とも呼ばれる。
例えば 「卵の黄身」 を意味する "Dotter" は、「男性または中性」 である。
DUDEN の説明でも、次のように両方の性があることが示してある。
【Dotter, der, auch: das; -s, -:】
この表記法から推測する と、"Phosphat" の女性名詞としての可能性は、なくなったと言ってもよい。
信頼できる辞書でも、記載を鵜呑みにしてはいけないという事例だ。
追記(2007年08月16日):
発行元の小学館にメールを送ったが、エラーばかりだった。
そこで直接電話をして、 この誤植について説明した。
担当者も DUDEN の辞書で確認し、次の刷りでは訂正できるだろうと言っている。
追記(2020年02月08日):
8刷を購入したところ、中性名詞に訂正されていた。